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11月7日

 
GANESH's room つらつらと書いた海外旅行関係もとりあえずこれでフィニッシュ。

アメリカは西海岸、シスコのあたりはいつ行ってもカラッとしてて、気候も穏やかで大変快適です。カナダとは全然違います。生えている木もまるで違います。ブロッコリとカリフラワくらい違います。 なんにもないところを片道4車線のデカい道路がドカーンと貫いてます。ときどき湿原のようなものを見ますが、湿原というか、植生が乏しいので大きな水溜りみたいですが、 ここらへんは汽水域らしいので素通りです。
サンフランシスコから北上、サウサリートを超えて、ナパバレー、はたまたミュアウッズのあたりを徘徊したのですが、んー、なんにもいなかったですね。一度目は環境というより、 ひととひとが織り成す状況のようなものに拠って、一箇所しか寄れなかったのですが、そこはいかにもおっきなグリズリーとか人喰いベアーが出そうな、白くてものすごい巨大な切り株が水際に、 なにかのシンボルのようにそびえていて、まわりをオークの木に囲まれて、ときおり体を動かさずに背筋を伸ばしてササッと走る鳥(!)が遠くを横切ったり、なんだか見たこともない変な色をしたヘビが出て、 ミキちゃんが「ああっ!ああーっ!」とか悲鳴をあげたりして、すごく怖かったです。極めつけはそこらじゅうに生えているポイズン・オークというかぶれる葉っぱで、 ビルにもミキちゃんにもさんざん気をつけろと言われてだいぶめげました。

At Polk Street 二度目にはティムを尋ねたのですが、彼はカールという、旧米空軍に在籍していて当時は日本にいたらしいのですが、そこで奈良に感銘したという結構な年を召したおじさんとふたり暮らししていて、 ふたりともかなりの日本びいきになっていて、庭が日本庭園になっていたり、キッチンにどこかの藩の紋どころみたいなのが刻印されていたりします。 部屋には「日本語検定試験」だかなんだかと書いたテキストとかもあって、実際ティムは「昔のことなので、よく分かりません」などと、流暢な日本語が飛び出します。 そんなティムは、このあたりでの生活も長いのでどこに湿原があるかも詳しく、僕の酔狂な頼みに応じて何箇所か案内してくれたのですが、その道中、ゲンゴロウの話になりました。

ティム「日本にはどのくらいのゲンゴロウの種類がいるの?」
そーる「100以上います」
ティム「そうなの。こっちはすごく少ないよ。the Mediterranean climateだから、水が少ない」
そーる「??」
ティム「地中海キコ(日本語)。キコ?キホ?んー、weather」
そーる「あーはい。日本とは違う天気ですね」
ティム「この時期は一番水が少ない。ゲンゴロウはみんなまだ冬眠してる。もっと遅くか、冬、春にでも来なさい」
そーる「夏季休眠ですか?」
ティム「夏の冬眠。そう」
そーる「おおきさはどのくらい?」
ティム「このくらい(指をギュッとする。ものすごく小さい)」
そーる「おおきいのはいないの?」
ティム「いない」
そーる「僕はなにかゲンゴロウを見つけられると思う?」
ティム「思わない」

Here House of Prime Rib 実際なんにもつかまえられませんでした。アメンボやマツモムシはいました。でもゲンゴロウはいません。彼のいうゲンゴロウはおそらくマメ属だろうと見当をつけました。 道中、ティムもポイズン・オークには気をつけろと(またか!)さんざん言われて、たしかにそこらじゅうにあって、僕には見極めも大変で、いちいち怖かったです。

カナダから持ち込んだAcilius semisulcatusたちは、サンフランシスコの冷蔵庫の中で死に絶えました。水道水のせいか、寒さのせいか、タッパになんかついてたのか、 水草の替わりに使い古した僕の靴下をいれたせいか、靴下なのか、なんなのか、どうでこそあれ、大変にショックでした。 でも、おけらだったときのために保険で購入したThermonectus mamoratusは無事に持って帰ってこれたのでよかったです。

10月29日

 
ティムと僕とカール だんだんと記憶が薄れてまいります。残るものは残るそうですが、消えるとこは消えてきます。がっつり。ほんとに向こう行ったのでしょうか、僕は。
ゲンゴロウです。向こうのゲンゴロウのことを。

まず、カナダ。バンクーバー行く前にちょっと調べたら、Acilius semiculcatusという、メススジの、上翅の後ろの方に模様がはいっているのがいて、 綺麗だなあと思いました。
クーさんケーさんに地元の掲示板でゲンゴロウのことを聞いてもらったのですが、唯一回答してくれたひとが、たくさん見ると言ってましたが、どうやらフウセンムシのことを言っているようでした。 彼はWATER BOATMANを○○パークでよく見ると言ってましたが、○○パークはバンクーバー近郊の、海に囲まれた小さな島状の観光地でいかにもゲンゴロウのいなそうなところです。 日本でいう「江ノ島」をちょっと大きくしたような感じでしょうか。そもそもフウセンムシを知ってるならゲンゴロウも知ってそうですが、ゲンゴロウとマツモムシの区別がないような、 いわばWATER BEETLEひとくくりみたいな印象なので、きっと彼が言っているのはWATER BACKSWIMMERのことだろうと想像しました。

ビルのお部屋 ので、なのでそこには目もくれず、地図を広げ、ああだこうだで行ける場所を絞り、実際にでかけてみると、それでもいそうなところは大抵マツモムシがいました。実はマツモムシにはいい思い出がないです。 いい思い出がないと、嫌いになっていくものですか?僕にはあれは巨大なアブが溺れているうちに水生生活に特化したんじゃないかというような、 忌まわしい間違った進化をたどった不幸で不吉な末裔にしか思えません。溺れたついでに適応したという、ものすごい生命力というか、まあ想像なわけですけども、実際日本でも真冬だってあちこちにいるので、 恐いくらいです。

あとアメンボもたくさん見ました。なにかのヤゴらしきものもいろいろいましたが無学なのでよく分かりません。カナダではトレイルという、 豊かな自然に沿うようなかたちでトレッキング用のコースが発達しているようで、僕の行ったあたりではもはやトレッキング用のコースしかなく、車では行けない、車でコースの先に行くとしたら、 海沿いからグルッと回っていかなければならないという、ちょっと冗談のような、もはや行きたければジョギングかランニングかサイクリングで行けばいいじゃあないか、というような、 車とか電車なんかの利便性より、健康性を最優先させているようなつくりな印象なので(もちろん都市部の交通網はどこにもひけをとらないくらい発達してましたけど)、「ゲンゴロウのいるような場所」 を求めると、結果的にトレイルでトレッキングしなければならないという、大変健康的な様相を帯びることになります。
ツイン・ピークスからのシスコの夜景 実際向こうでは喫煙率も低く、タバコが9C$もして(箱を開けると中に、You Can Quit Smoking Now.などという黄色い紙が、なにかを警告するようにはいっています)、 健康性に関してはちょっとした都市だと思います。

はてさて、健康的に歩いて歩いて歩いてゲンゴロウを求めたわけですが、空気はおいしいし、体はどんどん健康的になっていくのですが、ゲンゴロウはなにも見つかりません。 たまたま網をもっているだけのナチュラリストです。一緒に歩く(歩かされている)クーさんケーさんも、やれ右足が痛い踵が痛いなどと、不健康に侵されていた体からどんどん毒が出ていきます。
デカい大葉のような バンクーバーは雨が多く、ちょうど僕が行った時期が雨季だったせいもあって、そこらじゅうがよい湿地になっていて、日本の6月のような気配が、まるでポイントを絞らせてくれません。 水草のある溜まりを目指したのですが、水草はほとんどなく、替わりにデカくてデローンとした大葉のようなもの( 右の画像 )があって、それは湿地っぽいところには大抵あるので、 途中からは遠目に見て水を見ずとも湿地の場所が見当つくようになりました。あの葉っぱはなんだろう、無学が悔やまれます。なんだろうなりに、そうだあれはきっと水捌けのいい湿地に生息する、 乾燥に強い水生植物かなにかだろうと想像したりして、無学を転がして遊んでました。そして、その大葉のある溜まりは無視、大葉もない溜まりは無視、途中で出くわした巨大な湖も無視、とやっていると、 すなわち総スカンです。どこも寄らなくなります。ただ歩いてるだけ。 クーさんケーさんはゲンゴロウなんて最初からどうだっていいので、やれあいつはどうしてるとか、移民がどうのとかキノコだシイタケだ、かかとが痛えとか自由奔放です。もはやおしゃべりしながらの、 小規模歩け歩け遠足です。「歩け歩け歩け!」
いや、意味なしです。。

バプテスマ・ポイント そうこうしてるうちに催してきて、トレイルの途中途中にほったてられたちいさな山小屋のようなトイレで用をたしながら「思えば遠くへ来たものだ、うむ!」とか思い、 どうせ来たならなんとしてもみたいな気分になってきて、トイレを飛び出して小走りに先へと進み、後ろで北斗七星の下から2番目の連星のように小さくなったクーさんケーさんが「おーい」などとやっていて、 行ってみるとケーさんが絶好調でなにごとかと思うと、「水草あったよー」などと言って目がクリックリしています。一緒に駆け下りるようにしてトレイルからはずれてみると、 たしかに今までとまるで相を異にした溜まりを目にしました( 左上の画像)。もう、完全になにかいます。予感が現実を凌駕します。そして一投目でマメ系のゲンゴロウがはいります。 なんかちっちゃいのもはいってきます。「どう~?」などと、自分ごとのように喜々としてくれるケーさんが聞いてきてくれますが、もう完全に無視です。なにを言っているのかよく分かりません。 血管切れそうです。シカト。
数投目にはもっとデカいのがはいります。見ればAcilius semisulcatusです。すぐに分かりました。
シスコ市共催のコスプレ! あれだけ前調べで画像とかもチェックして、いいなあと思っていたのですから、それは分かります。分かって時間が止まります。もうここはカナダではありません。僕の原風景です。 原風景のはるか不可知領域を越えたところで、いつだって僕を包んでくれている、子宮のようなところです。僕は羊水をじゃぶじゃぶさせています。長靴の中にどんどん水がはいってきますが、 そんなことおかまいなしです。岩から水草の原っぱへ、原っぱから岩へどんどんジャンプして水しぶきをあげます。もはやバプテスマです。聖水です。儀式です。ワンペア目指して僕は無心です。

あそこだけは水が安定して、枯れずにいたんでしょうか、いいところでした。結局ここからあがって先へ進んでも同じような溜まりには出会えず、また引き返してここだけを探ったりしましたが、 採れたのはセスジ系数匹、マメ系数匹と、Acilius semisulcatusのオスが一匹だけでした。でも。それでも。クーさんケーさんも、自分ごとのように「よかったねえ」と言ってくれます。オトナです。 僕は感謝を込めて、あそこをケイコポンドと名づけて( 「そうだ、あそこはケイコポンドだ」「ケイコポンド?」「おおお(一同)」風に )、ケーさんを喜ばせようと思ったのですが、 あんまり喜んでいませんでした。「見守らないよ、もう干上がってるよ」…勘のいいコです。

ビルんちのトイレ! カナダは猪田さんからもゲンモ天国だと聞いていたし、ネットで調べるとたしかにたくさんいそう(日本ほど著名な存在ではなく、あくまでWATER BEETLEひとくくりっぽい)ですけど、 現にそのほんの一部に触れてみると、ああ、ここならたくさんいそうだなと思いました。採れたのはそれだけでしたが、広大なカナダの、ほんとひと区域を歩いて、一匹だけだったけど欲しいのも手にいれて、 ここはまだバンクーバー、もっと北や内陸の、人口密度が薄いところ(バンクーバー、モントリオール、トロント等主要都市が全人口の反数以上を占めるそうです、ここカナダでは)、 その薄いところだらけのカナダ( トレイルすらない )をめぐれば、いったいどんなことになっていたのでしょう、トオモウト。トュメイート・ジュース?ゲンゴロウ・ワンダーランド。
ごく偏執的な、酔狂なひとにはもってこいです。健康にもなれます。でも物価は日本と変わらず、食事の量も多くないし意外と高いし(ディナーでチップ込みで普通にひとり20C$近くとか)、 テレビの番組は古いし(スタンド・バイ・ミーのクリスの兄貴のエースが主役のやつやってた…)、音楽も古いし(前にヒットしたグウェン・ステファニが今でもヘビーローテ)、寒いし、 スカンクは平気で街を闊歩し、気にいらないやつには屁をこいているようなところでしたが、そういうのを差し引いても、景色とか夜景とか、健康で平和で安全なところとか、 なんだかんだ友人の元気そうな顔とか、ほんの数日の旅行でもその片鱗に触れ、とても楽しい気分になりました。

Acilius semisulcatusにはそのあと後日談があるのですが、アメリカ編と並んで次回へ、つづーくぅ。

10月22日

 
シアトル国際空港にて 旅行の最初はシアトル経由でバンクーバーにはいりました。シアトルでは到着場所のターミナルから出発場所のターミナルまで電車に乗り継がねばならず(同じ空港内なのに!)、 それがまた日本育ちのものさしで考えると不安になるようなルートでした。到着場所でまず係のひとにペラペラの乗り継ぎ案内の紙をもらいます。なんでもそれによると、

①ゲートを越えたら目の前の電車(GIFアニメの)に乗ります。
②降りたら目の前の電車(GIFアニメの)に乗ります。
雨のシーモア山を巡り ③降りたところのゲートをはいると出発ターミナルになります。
( ほんとはもう一回乗るけど、ややこしいのでカット )

となっていますが、そうすると( GIFアニメのように )また同じところに戻ってくるだけじゃないの?という疑問がふと沸いてきます。ふと、というか、普通に沸いてきました。
なにこれアメリカ流?ひょっとしたら場所を変えるわけではなくて、電車乗ってるあいだに出発の用意をするということなのだろうか?とか思いました。 待ってるあいだ「退屈しないように、そこらへん見てきなさい」という、そこかしこの配慮なのかな?でも、そしたらできたらここで待ってたいよ?待ってちゃダメなのかな?
宮田さんちからのバンの夜景
電車の中で検査とかなんかのチェックがあるのかな、ひっかかったときに逃げられないように、なるほど、だから電車乗らせるのだ!とか膨らませてめくるめく不安が、 わくわく感と相乗して心拍があがったりしました。

日本だと普通は、反対側のホームは反対車線ですね?結果からいうと、この空港内を走る電車は、両方とも同じ方向に走っているので、着いた場所は同じではなかったです。日本のものさし。 海外のハルマゲドン(死語)。

ケーちゃんとクーさん でもそれならそれで、同じ方向乗ってるならそのまま乗ってればいいじゃん、降りるホームが違うだけじゃんなどと思って、そこらへんも心拍はハートビートへと向かうのですが、 きっと進行方向は同じなりに途中で枝分かれしてるとか、微妙にV字を描いて、実際は降りるのは同じ駅ではなかったということになるのだろうと、頭を使ってポジティヴシンキングしてみました。
ワナではない、と。別にエンターテイメントではない、と。

たとえば電車に乗ってるあいだに外の景色が見えれば、「あ、ぐるぐるまわってるわけじゃないんだな」と気付いたりもするわけですが、この場合4面灰色につつまれたなんてことない壁をくぐり抜けていたので、 まるきり分かりませんでした。やはり不安だったのでしょう。同じく電車に乗り合わせた日本人のコだって声をかけてきます。
バン空港で最後のガブリ 「バンクーバー行きですか?」
「あ、はい。」
「この電車でいいんですか?」
「んー、分からないです」

不安は共有するものだと言ったのは誰でしょう。たしかに不安を口にしあっていると、そのうち、まーなんとかなるさー、と思ってくるみたいで、 そのいわば「すわった感」が初体面のよそよそしさを解消したのか、なんなとなく打ち解けてた気分になって、いや、あ、そんなじゃなくてきっと海外に来てお互いひとりだったからということでしょうね。 まーどっちでもいいや、一緒にコーヒー飲んだりして、そのひとと少し仲良くなれました。

シスコの北、サウサリートを抜けて バンクーバーへは小型両翼機のゆれゆれのデカいハエみたいなのに乗って、ビィィーンとうるさくて添乗員はひとりっきりなのに天井に頭をこすりながら目の前でマイク使ってなんか言ってました。 「テュメイート・ジュース?」とか。

空から見る地上はとっても綺麗でした。

到着してから入国審査を通過するまでに2時間半くらい並ばされましたが、シアトルで知り合ったコとなんとか話して乗り切りましたが、とっても疲れました。 デカいハエに乗ったら何百キロを一時間かからないのに、ここでは1メートル進むのに10分もかかるのだ、という、よせばいいのにくらべっこ。
ミルバレーの奥地 審査官は、たった今離縁されましたみたいな不機嫌で投げやりな態度で、ペンを持ってないと言ったら自分のを貸してくれたのですが、貸してくれたというより、 離婚に使ったハンコをなんでおまえみたいな他人に渡さなきゃなんないんだ、みたいにイヤそうに転がして寄越しました。たかがペンじゃないか、それにこんなに待ったんだぞ、というのもありましたが、 なんか逆らっていろいろチェックされるのもイヤなので、こっちこそイヤだみたいな感じでお互い我慢大会の地区予選みたいな淡々さで、なんとか入国しました。
そしてクーさんケーさんと合流。

ミキちゃんとビリーとビル クーさんケーさんめ

短い旅行でしたが、とっても楽しかったです。次はたぶんいよいよ(?)、海外のゲンゴロレポートで。

こっから先はひとりごとですが、こっから先はというか、先もですが特に、それより、部屋でくつろいでいるときとか、歩いて話をしたり聞いたりしてるときの坂道とか、なんか断片断片がすごくよかったです。 別に誰でもそういうのはときどきあるわけだと思うのですけど、そういうのがこっちでいるときよりもケタ違いで強くたくさんありました。

でもそういうのは必ずしも、海外だからという特別なシチュエーションのせいではなかったように思えます。 というかほとんど海外ということにつなかってなかったと思います( だって、部屋でくつろいでるときとかって… )。
雲ひとつないカラッとした地中海気候のまっただ中 でも、それでもやっぱり海外旅行という特別なシチュエーションだったからこそ、すごくよい断片がたくさん訪れてくれたんでしょうね。
なんだかスケールの小さいことを言ってるようですが。
でもまあ、個人的には、そういうのは、どこどこ博物館とか、どこどこランドとか、どこどこの滝とか、どこどこどこどこしてるよりは最高なのですけどもなんだか。

10月16日

 
日本からシアトルへ ただいまーっと。にゅーおりんずで溺死体にむらがるゲンゴロを捕りに行ってたそーるわんです。それでいきます。

帰ってきたばっかりのほんのばっかりに、震度4のお出迎えがきて、さっそく水槽を抑えてみました。うーん、これですね。水槽にタッチして。浮草がものすごいことになってました。
水がすごく減ってました。1週間という感じがすごく伝わってくる見た目でまるで。

でもぶりんのおかげで留守中もばっちりでした。この場を借りてありがとう、いろいろあれなのにどうもありがとう。

シアトルで知り合ったコと ミキちゃんはあい変わらずすごいパワーでした。寝てるときと口をゆすいでるとき以外はずーーーっと喋ってました。
MTVを観てて、いいのが始まったので黙っててと言っても、 プロモが終わってCMが終わるころにはいつのまにかおしゃべりが始まってて、何度もちょっと待ってと言わなければならないくらいのおしゃべりでした。
でも自分で「口から先に産まれたんだから仕方ない」と認めてるので、覚悟が決まってるので、おしゃべりに胸を張ってます。おしゃべりに腰を据えてます。黙ってることは決意を曲げることなのです。 それは我慢なのです。言いたいことを言わないということは。

シアトルからバングーバーへ 日本人はどうしてディベートに対してもっとトレーニングを積ませる教育をしてこないのだろうと、この旅行のあいださんざん言ってました。そのことで僕と何度も言い合いのようになりました。

ミキちゃんはサンフランシスコでお世話になった、僕の父親の7人兄弟の一番下の、いろんな事情でアメリカに永住してしまったおじさん( あ。にゅーおりんずやめた )。自分のキャラクタリシティーは どうやら日本よりもアメリカの方があうらしいということで、アメリカはサンフランシスコに移住して、もう今年で31年目。日本にいたよりそっちの方がもう長いのです。

バングーバーはくーさんけーさんちからの展望 そんなわけでタクシーの運転手やレンタカーの受け付け、友達相手にすぐ気にいらないことがあると言い合いをはじめます。言い合いのあいだに僕に通訳してくれたりして、余裕たっぷりです。
言いたいことを言ってしまうと、怒っていても、そこはかとなくすっきり感が伝わってきます。言われた方も言われた方で(ミキちゃんもときどき言われる側になります、もちろん)、 それに対してエクスキューズするしないにかかわらず、そんなに引っ張ることはないみたいに見えます。
レンタカー屋のお姉さんも、レンタカーが希望していたものと違って、あらかさまに失望されたときも(さっきまでそのアクセサリーいいねーとか言ってサンキューとかやってたのに急に)、その対応は、 失望させたことに申し訳ないというより、まるで一緒になって失望してるみたいな雰囲気です。でも一旦話がまとまると、さっきまでのシリアスなやりとりが嘘のように、途端に笑顔です(ミキちゃんも笑顔)。 慣れてる感じがそれはもうひしひしと。

リンバレーの奥深く
僕はどっちかといったら、気にいらないことがあるのは当然、言っても仕方ないこともあるよと、そっちの方をだんだん許容するようになってきているので、 そっちよりのものさしでアメリカ旅行を楽しんでいると、ずいぶん痛快だなあと、ふしぶしで思うことになりました。

でもそう思わないこともあって、だってディベート力が鍛えられれば人間関係が円滑になるとは思わないので、それよりディベート力は、相手をやりこめるための武器として使用したい場合に 有効になるケースの方が多い印象が僕は強いので、あんまりそっちに頼りたくないなあと思ったりもするのです。

けいこポンド(と命名)にわん夢中 でもミキちゃんとそのことで言い合いをしても、気まずさが残るでもなく、気まずさが残らないのでまた同じことを言われたりするのですが、そういう、言葉を言葉として楽しむ風な感じはとても心地よかったです。 というか、そういうものがそもそものディベートというものなのかもしれませんねー。

↓ミキちゃんのディベート力↓
ミキちゃん「Aだ」
そーるわん「Bだ」
ミキちゃん「こうこうこうで、こうこうこうだからAだ(すごい情報量と豊富な語り口)
そーるわん「こうだからBだよ?(あまりよく分かってない)
カナダのマメゲン ミキちゃん「This is A!(今度は英語に切り替える)
そーるわん「Hello (ぜんぜん分からない)
ミキちゃん「ちょっとトイレ行ってくる! or タバコ買ってくる!(or 黙って冷蔵庫からなんかとってくるetc)
そーるわん「ふー(油断する)
ミキちゃん「Aだ(以下繰り返し)
勝てるわけないのです。勝てるというか。Aだよなーと思ってしまいます。でもアメリカだと(アメリカというか、ミキちゃんの暮らしてる環境だと)、たしかにそういうのがないとどんどん自由主義のもつ辛辣さ、 (自由を尊重するからこそ、確固たる立場を求められるというような)皮肉というか矛盾に飲まれてしまうのかもしれないなあ、などと想像しました。 向こうではポリティカリーコレクトは天気予報と同じくらい、日常生活において重要なもののようです。

カナダのメススジ これはけっこう、僕なんかから見ると、大変です。例えば主義があれば主張するのが常識な社会で、勧善懲悪はスノッブのいい大義名分になります。でもイラクのことを例に出すまでもなく、 善と悪は完全に確立された概念ではないですよね?それは常に暫定的な、考え方のひとつです。そう考えると、実はそんなに主張することなんかないじゃないかということになります。 ないじゃないかということになったら、主張はしづらいものです。ふつう。
でもそんなことを思ってふにゃふにゃしてたらこっちではきっとうまいこといかないのです。たぶん。どっちなんだと言われます。How do you think?と聞かれます。覚悟を求められます。選択を迫られます。
宮田さんちでわいわい 大変です。

だからなのか、そういう大変さを踏まえた上だからなのか、同意や賛同を得たらミキちゃんやレンタカー屋のお姉ちゃんはとっても嬉しそうにします。そういう堆積が、アメリカの華々しさなのかなあ、 とかちょっと思ったりしました。タクシーの運ちゃんは最後まで同意を得られずしょんぼりしてましたけど。

まあとにかくミキちゃんには大変お世話になりました。いつも感銘を受けます。ふー。今回はミキちゃん。適当に書いてきます。

9月29日

 
ようやくうどんを食べ終わりました。へそからうどんが出るまで食べました。いったい何本の大根をすりおろしたことでしょう。でももう終わりました。

もう、終わったのです。

さて、これはその反動なのでしょうか。あてこすりかなにかでしょうか。今はパスタばっかりです。中でも明太子ソースが簡単でおいしくてはまってます。ひと煮立ちさせた白ワインに、バター、コンソメ、 明太子、塩をいれます。いれました。できました。順番だけ守ればあとは適当なのにおいしいです。使った白ワインの量によってパスタにからめる茹で汁を加減します。使ったバターの量によって オリーブオイルを加減します。融通効きます。ゆとりがあれば上にシソとノリをまぶします。これで、なんとかの洞窟とか、和えるパスタなんとかより断然おいしいです。マジで。
明太子の苦味がちょっと苦手だというひとは生クリームをいれましょう。コーヒー用の生クリームでオーケーです。苦味が苦手でも、せっかくの明太子なのでマヨネーズはやめときましょう。 大変に余計なお世話ですが、マヨネーズはおいしいけど強いので、なんでも同じ味になっちゃってだめです。せっかくつくるなら、なしがいいですね。個人的には、あれは味○素と同じです。

明太子の苦味。白ワインはキリッと辛口。ばっちりです。もうなんにもいりません。へそからパスタ、上等でございます。むしろ祝日です。

えーと。

9月19日

 
つくばポスター発表 ここのトピックで、「うーん、なんかもういっこネタ増やしたいな」と思って、なんとなくぼやぼやと考えてました。いつもミニマルでカルトでマニアックでパーソナルなので、たまにはもう少し一般的で、 役に立つことに挑戦してみたいなあとか。

タイトル:[あなたにできること]
とかタイトルつけて、自然環境保全につながって、かつ、お手軽にひとりでもできるようなこととかを紹介したらどうなのかしら、と思いました。思ったときは「おおっ」と思えて、 僕もようやく社会参加できる気が少ししました。明るい兆しです。健全な魂が僕の中で見え隠れしてきました。

さて、でもそこまでです。 んー。
いざ紹介事例を考えるとなると、はたして自分がしてきた自然環境保全的な行動がまるで思い浮かびません。どの引き出しを開けても、そういうものが見当たりません。思い返せば、 僕のしてきたことといったら、胸を張れないことばかりです。
んじゃ、一般的によかれと思われていることを書こうと思いました。でもいざ書こうとなると、そんな僕です、さすがにどうしても、ちっちゃいなりに、自意識が邪魔をします。 ちっちゃい自意識は、ちっちゃいくせに、自己の不道徳さを棚にあげて道徳的規範を提示する偽善に堪えられるものか、と僕を揶揄します。

さもありなん。
チープなカリフォルニアワインとタバコで、末端神経がしんしんしてきます。難しいなあ。

ところで来月のつくば市でおこなわれるポスター発表では、この画像にあるような、種別紹介も置く予定です。A4版の当地限定非売品です。 スーパーファインで一押しショットをがしがし刷ってます。当日は生体展示や僕以外の詳しいひとたちのお話も直接聞けるし、きっと貴重な楽しい日となることでしょう。ぜひ、足を運んでみてくださいね。

9月10日

 
朝と昼のほていフラワー とりとめのない話を。

あるひとが、人類にはホモ・サピエンスという学名( scientific name )があるのに、オーストラリア人や日本人という人種には学名がないし、つまるところ学名というのは、代表的な種類にしかつかないのでは?と、言っていました。

僕もなるほどと思いました。
なるほど。学名のない種もあるのだな、と。

でもそれから、あれ?と思いました。よくよく考えてみれば、人種の種ってなんですか?種( kind )のことじゃないですよね?そういえば、人類って呼び方もまぎらわしいですけど、そんなことないですか? ヒトがなに類( amphibia )かといえば霊長類ですよね?

気になって調べてみました。
 

びっくりです。衝撃の事実です。はるかかなたで巨大な遠雷が鳴ってます。
霊長類じゃないのですね。知りませんでした。
分類学上、正式にはヒトは、動物界、脊椎動物門、脊椎動物亜門、哺乳網、霊長目、真猿亜目、狭鼻下目、ヒト上科、ヒト科、ヒト属、サピエンス種、となってるみたいです。長いですねー。 狭鼻下目?はじめて聞きました。僕は鼻の下の長さをヒゲでごまかしてました。ヒトじゃないんですか?とりっぷっ。

えと、そして類や属がない。しかも目と科がふたつある。
よく言う人類とか、霊長類の類は、なんの類なんでしょう。考古学上の分類?いやまさか。でも話がどんどんずれそうです。とりっぷっ。

とにかく、アメリカ人もメキシコ人も、人種は違えどみんな同一種ですよね?同一種のホモ・サピエンス。地球上のヒトすべて、一種にして無双。ここまではあってますか?


あってるとして、話をすすめてみます。

この、分類学でいうところの種の、名称( common name )は和名が人間で、英名はHuman beingですよね?僕はなにとはなく、すべての学名は、学名とは別に、 それぞれの国で呼ばれる固有の名称を持つものだと思っていました。そして今は、唐突に、ひょっとして、学名しか持たない種も非常に多いのでは、という気がしてきたのです。
じゃーん。

新知見ですか?アホのさらし中ですか?…実際のことろはどうなってるんでしょう?
日本では、日本に住む生物で、和名を持たない既知種ってないんですか?海外ではどうですか?英語圏や、ラテン語圏はどうなっているのでしょう。

えと。具体的にさらしてみます。例えば日本のAgabus conspicuus( scientific name )は、クロズマメゲンゴロウ( common name )です。ピンポーン。
アメリカやメキシコのThermonectus mermoratusは、Sunburst diving beetleと呼ばれています。ピンポンピンポーン。
でもDytiscus marginalisはなんて言うですか?チック、タック…Cybister lateralimarginalisは?…ック、タック、ブッブー( 時間切れ )。

ふとしたことから調べ始め、調べても調べても、よく分からず、おっきければみんなGreat diving beetleでひとくくりなあのひとたち。もうこの際それでいいですか。種( kind )について語るとき、 一般のひとはどうしてるんでしょう。なんて呼んでいるのでしょう。そもそも普通のひとは例えば虫なんかのことは話題にしないのでしょうか。バッタは全部グラスホッパーですか? Oh honey. The hell of a grasshopper or something is under our bed!で終わりですか?それをそれで終わらせたくない一部の、専門的なひとたちに限って、 それ以上細かいことに関しては学名で呼びあうのでしょうか。My dear. It'll be Ageneotettix deorum, not something I think.
はい?なんですか?ハロー?…ツー、ツー( デッド・アウト )。

分からないなりに想像してみました。ラテン語圏は学名がそのまま発音可能、口語として使用可能なので、日本のような細かい名称なんてないのではないか。そして更に、ラテン語を、母国語ではないにせよ、 発音可能な国( どこですか? )もそんな感じなのではないか。ついては英語圏もそんな調子でひとまずやりくりしてるのではないか?
さらしました。無知は恐怖がありません。知って、振り返って、ひるむのです。アホだったと。自分のアホさ加減に。ひるみますか?僕は。

カナダに行って、僕はカナダ人に、なんて尋ねるのでしょう。ドキドキします。霊長類か人類、広鼻下目、黄色人種、日本人的地域個体群、そーるわん。

9月5日

 
4日は畦とか直してきました。どこまで書いていいのか分からないので、ほんの一部だけ抜き取って。

Oくんが、知り合いの女の子がAV出たと言いだしました。ケイくん( '04.2/21観察記参照 )がああ、あの同級生の子でしょ?見た見た、と言います。オレは見てないんだよ、 とOくん( ケイくんのお友達。はじめましてー )

マジで?

見たの??

なんで見ないの!?!?

僕は言いたいこと聞きたいことが急にやまほどふくれあがって、男のロマンがお口の中いっぱいにひろがってうわーってなって、ちょっとーって身を乗り出したら、 まつもさん( '05.5/4観察記参照 )が「そんなことよりここらへんは崖崩れとかしてないのかな?」と言い出して、
話が終わってしまいました。
 

そんなことより?
ソクラテスかと思いました。

結局その話はそれきりになって、再び持ち上がることはありませんでした。

8月27日

 
きのうの続きです。北海道のツルのことを言いましたが、ツルではなくハクチョウでした。。リンク貼るので興味があるひとはぜひ覗いてみてください。けっこう考えさせられますよ。

「ハクチョウの話」
「なぜ餌付け・給餌相手がハクチョウ類なのか」

他にも知夫里島のタヌキのことでいくつかコメントしているblogもありました。ちょこっと貼っておきます。

「タヌキとにんげん/まるちblog」
「野生タヌキの餌付け難航/what makes me happy」
「村おこし?/らいおん丸の日記」

他にもいろいろありそうです。タヌキにとっても人間にとっても他の在来種にとっても、素敵な未来への展望がひらけるといいのですが。一般論的なことを言わせてもらえば、 みんながみんな幸せになりたいのなら、みんな平等に少しずつ我慢しなきゃだめですね、というところだと思いますけど。どうなんでしょ。

でもその前に、在来種と侵入種の命はどちらの方が重いのかということを考える必要もきっとありますね。生態系保護的側面はもちろん、倫理道徳、政治、民族学や経済学までこみこみで総合的に。 たぶんそういうところの延長に、ガザ地区から強制退去させられたユダヤ人の問題も、実はなきにしもあらずだったりしませんか?

あ、そうそう。そういえば尖閣諸島はヤギからはいっても政治が出てきて、政治的側面からはいってもヤギが出てきて、おもしろいです。またそういうことを言い出すと話がどんどんそれていってしまうのですが。

8月26日

 
お昼ごはんを食べながらyahooをみてて、ふと気になるトピックをみつけました。 [野生タヌキの餌付け難航]

読んでからいろいろ考えました。限られた情報の中で、まず最初にパッと頭に浮かんだのが公園でよく見かける「ハトにエサをあげないでください。」の看板です。ものによっては、 なぜあげてはいけないのかまで補足して書いてあります。逃げたつがいが2000匹になったというのも驚きですが、観光事業の目玉としてタヌキの餌付けが成功すればきっとさらに個体数は増加する気がします。 そしてさらに増加したタヌキをどう管理していくのでしょう。すでに農作物の被害も出ていると書いてありましたし。一度エサを与えたら、与え続けなければならなくなってしまわないのでしょうか。 与えるのをやめたらきっと農作物の被害はもっと増える気がします。たしか北海道のツルだったか、越冬地として定着してもらうために毎年撒き餌をしたところ、たくさんのツルが来るようになったのだけど、 「来たら毎年エサを蒔かないと」農作物に被害が出るようになってしまったという話がテレビでありました。かといって増えすぎたタヌキを殺処分で調整というのでは、 観光事業という大義名分が泣けてしまいます。そんなことないのかな。

そもそも本来その地域にいなかった生物が侵入することによって、他の動植物に及ぼすかもしれない影響について、なにか危惧のようなものはないのでしょうか。 60年強で2000匹に増えるというのがどういうことなのか、ちょっと学のない僕には分からないのですが、ひょっとしたら島という閉鎖環境の中でこれといった競合する生き物や天敵もいないために容易に 定着してしまったということはないのでしょうか。ここらへんは尖閣諸島の人為放流したヤギが大量に繁殖して、固有種を絶滅の危機にさらしているという話を想起しました。

でも知夫里島はそんな小さい島でもなさそうだし、猛禽類やロードキルとか、意外に敵も多く、この数字は自然な増幅値のうちと言えなくもないのでしょうか。では、ちょっと別の角度から考えてみます。

わりと大きな島で生息地域が限られているというのであればひょっとしたら2~3000匹くらいでは島の生態系はおびやかされないのかもしれません。 それよりもこの村おこしによって得られる(かもしれない)地域活性や観光収入の方が貴重かもしれない。それにこの事業をとおして、より自然保護や生態系保全に対する地域住民の知識が高まるとしたらそれは それで大変に捨てがたいものになると言えるでしょう。そうすればタヌキを面倒みつつも、囲い込みや地域猫みたいに去勢、避妊をしたりしてうまいことバランスをとってやりくりするという[共存]の よいモデルケースになるかもしれません。

もしくはそんな綺麗なことではなく、生態系保全より観光収入だ、タヌキよりひとだ、とわりきって、その覚悟から、ふいになにか得がたい別の政治的姿勢が確立されるかもしれません。 風が吹けば桶屋だって儲かるんだ、タヌキが増えて生態系が貧しくなることもあるだろう、ならないこともあるだろう、というある種超然とした悟性のようなものが、 ひとの営みを含めた自然界に起こる現象のすべてを無条件に受け入れる大きな器量を産むかもしれません。そういうものはたとえ島中のタンポポが消えてなくなってもタヌキが島から一掃されても、 長期的に見たら替え難いものかもしれません。僕もどちらかといったら[覚悟]にはほぼ無条件で「すげえ」と思ってしまうクチなので、「ハトにエサはやらんがタヌキにはエサまみれだっ。見ろっ」と キッパリ言い放たれたら、まあそういう考えもあるよなと思ってしまいそうです。

ずいぶん話の流れに温度差が出てきて、自分でも収拾つかなくなってきましたが、なんにせよ断定するにはまだちょっとあれですね。文字と文字のあいだの見えないところに、いろいろありそうな気もします。 タヌキを駆除してくれ、駆除はかわいそうだ、といろいろな意見が寄せられる中で行政も大変なことでしょう。メディアや企画サイドが先行して盛り上がってるだけかもしれません。

みなさんはどんな感想を持たれましたか?

8月21日

 
さて、これは誰でしょう お盆に実家が香川のひとがいて、帰省ついでに本場の讃岐うどんを買ってきてもらいました。なんでも四国では他と違って小麦粉にオーストラリア産ではなく従来からの国産小麦粉を使っているそうで、 これはと思い、30袋注文しました。でも届いてびっくり賞味期限が1ヶ月しかなく1袋は2人前です。これは多少なりとも覚悟を決めて、毎日一生懸命食べなければいけません。 でも食べはじめてみればすこぶるおいしく、ムリもたたらず、つるつると胃にはいって、鼻やおへそから麺が出ちゃうこともなく、1日3袋ペースで消費できます。
メインはぶっかけで、すりおろした大根おろし( 先の方は辛いのでハーフカットサイズで後ろの方を選びます。後ろの方というか。 )に、せっかくなので醤油もこだわって国産丸大豆醤油を使います。 せっかくなので、というのは「もったいないので」と同じくらい、僕の中では料理における大事なキーワードです。飽きないようにシソやノリやあげだま、 半熟卵をいれたりしてテイストに微妙な変化を出していますが、結局は微妙なのであんまりたいした違いはないです。うどん食ってるなあ、というのがものすごく前にきてます。後続をはるか遠方にブッちぎって。 ダントツ。はたしていつまでもつか。
ぶっかけうどんにレタスを手で切ってざくざくといれて、上から少しサラダ油をたらすのも結構イケました。納豆のトッピングもイケますね。たぶんおくらとかやまいももイケるでしょう。 そういえば昔、遠い親戚でざるそばをつゆにつけずに水につけて食べてる子供がいました。よっぽど貧乏なのかと子供心に染みましたが、僕らには普通のそばつゆを出してきていたので、 そんなことではないんでしょうね。今思えば彼にはきっとそばの味がものすごいよくわかったんだろうなあという気がします。そばだけ食ってるのでそりゃ当たり前だけど。 僕もうどんだけで食べてみようかと思ったけど、思ったたげでやらないと思います。でも塩で食べるとかはうまいかも。
んー、楽しい。

この1週間でガムシ2、3匹(ALL OF 30~32mm)とクロ(8/18,♂)、ヒメフチ(8/20,♂)1匹ずつ羽化。アバウトな防備録。

8月10日

 
昨日メダカと小赤を買いに熱帯魚店へ行きまして、ダルマメダカなるものをはじめて見ました。 淡水フグみたいにちっちゃくてツルンプリンなのです。なんじゃこりゃ、と思って店員に聞いてみると、なんでも突然変異を固定したものだそうです。いやはや、人間の技術力というのはすごいですね。 このメダカはそこでは1匹5~600円で売られていました。突然変異を固定するなんて聞いても、なんのことやらうまい想像ができないのですが、きっと大変な労力を払ったことでしょう。 でも1匹4~50円(?)の普通のヒメダカに比べたら10倍以上の値がついているわけです。中国かどこかではたしか技術的に難しいと言われていた、初のクローン犬が誕生したようですし、医療のため、 お金のため、いろいろあるでしょうけど、ひとの技というかなんというか、計り知れないなあと思いました。

上:日ガム30mm、下:ドイガム45mm そうこうのこうで、うちでは今日仕事から帰ってきたらガムシが羽化してまして、体長30mmしかありませんでして、他にもそのくらいのがちょっといるので、おっ、これはかけあわせで体長20mm台の コガタガムシモドキガムシをつくろう、などと思ったのですが、まるで昨日のダルマメダカと同じで、なんだよと思って、イワンお前もかみたいな心境であやうく若かったら少し精神衛生を損なうところでした。

たまたまそんなときに、まるでその心理を見透かしたように、同時に羽化していたガムシは前足と後足が一本しかなくて、残った一本の前足は半分しかなくて、上翅はグシャグシャでした。

8月8日

 
にょっきにょき この2、3ヶ月はなんだか過ぎるのが早くて、せっかくの8月も気がついたらもう1週間以上経ってます。僕は8月が一番好きです。いろんないいものがあります。えーと。いろーんな。
こないだ、夏があんまり好きじゃないと言ってたひとがいるのですが、それでも花火があるので、土手で花火とか和みます、と言ってて、なるほど夏にはなにかしらあるなあと思ったのですが、 でもそれは別に夏じゃなくてもなにかしらあるわけです。

えと。おっと。僕はなにが言いたいのでしょう。
断言できるひとは素敵です。きっぱりと言い切れるひとはかっちょいいです。残酷です。選ぶということは同時になにかを選ばないということだ、と言ったのは誰でしたっけ。
村上春樹さんの小説で、「左右のかいばのどちらから食べ始めるか決めかねたまま餓死しつつあるロバ」という表現があって、今とっても思い出しました。なんでだろう、 でもあのひとは優しいひとだなあと思います。優しいひと。昔の記憶ってヤですねえ。無知って怖いですねえ。僕はもう2度と青春なんてヤです。ずいぶんなリスクですよこれは。青春どころか。 まーまーどーどー。
幸いにも、なんだかよく分からない原子炉みたいなむちゃくちゃな自我をどうにかやりすごして、僕もようやくマシになってきました。(パチパチ) ほんとによかったです。僕だって、 ヘタしたらこんなに健全ではいられなかったかもしれないもんな。ほんのわずかな「加速する傾向(太宰治な感じの)」が、一生をかけて究極的にそのひとを幸せにしたり、不幸せにしたりするのかもしれない。

ドラマはみんなクソだ。お願いだから、一度でいいから、「斜陽」とか「鉱夫」とか「風の歌を聴け」とかテレビでやんないかな。バカなひとの演出抜きでさ。
まあとにかく、どっちにしても、立ち上がって机をバンと叩いてなにかを言うのはよっぽどなことなので、それはやっぱりよっぽどなときにしてくださいよと思う今日このごろですね。
今日はいつにもましてなんか変な方向にきたなあ。よく分かりません。まあいいや。

7月26日

 
コガムシの初齢、アカムシを食す こち。こち。こち。体こちこちですか。
先週は結局ガムシが10匹くらい羽化しました。やっとヒメフチに上陸組が出てきました。ひさしぶりにコガムシもつかまえて、卵のうもとれて、3日で孵化しました。たのしー。

関係ないけど、ノリのいいズンズンな曲があって、英語なのでなにを言ってるのかよく分からなかったのでとりあえずテンションあげあげでいたら、タイトルが「許して」でサビが「きみに謝るよ」だった。 きゅんきゅんです。僕こそごめんなさい。

7月20日

 
ガムシの集団上陸 あんなにも好きだったはずのガムシたちが、あんまりにも孵化したし。あんなにも苦手だったガムシの上陸が、今年バカみたいになってるし。まつもさんはずっとシカト。毎日外で草をもぎって茹でてあげてる。 今まではスーパーでお勤め品の野菜とかを買ってあげてたけど、最近はくさ。名前もなんだかよく知らねえそこらのくさ。さっき取り替えた水だってもうバスクリン。バブ。バブ状態。
クロゲンの幼虫にガムシの幼虫をたくさんあげた。体が極端に短く吸い上げられて、2等身になって死んでく。コガムシの幼虫にもガムシの幼虫をたくさんあげた。 強引にもみしだかれて生きたまんまお団子にされて、最後はよく分からないカスになって捨てられる。なんとも言えない感じだ。僕の、あんなにもあんなガムシ。ああ、ガムシ。まつもさん。

こないだ海に行ってはじめてウミアメンボを見た。ただ海にいた普通のアメンボかもしれないけど。

7月12日

 
ガムシ吸うクロ こないだの休みにえんちょせんせんとこ行って濃いの見せてもらいました。スズメバチとヤブカと草トラップを乗り越えて、冒険のような見学。おっきなバナナの木とか生えてて。奥にはお墓さえ。 そのもっと奥にクロゲンがいて。そのもっと奥には覗き穴とか。いろいろなゲンゴロウがいろいろなところにいらっしゃる。でも一番濃いのはえんちょせんせだった。
貴重なものを頂きました。あとでこの場を借りてご紹介させていただけたらと思っています。

画像はガムシ初齢を食べるクロゲン3齢。ガムシ初齢が大好きなようです。ヒメフチはサカナ系みたいですね、うちでもようやく3齢になるものが出てきました。

7月2日

 
藁葺き農家の土間
午前中はよく分からない天気だったけど、ときおり輪郭のくっきりした雲とかも顔を出して、これはよおしと、少し張り切った気分になってきたので、先週大家さんにおすすめされた別の穴場に行ってみる。

行った。

穴場にはいい感じの農家があって、土間でおもわずパシャリ。
いい匂いがして、ふんわりとした気分になって汗もひく。

野鳥観察用の衝立 近くにはため池や湿地や、湧き水の流れなんかもあって、こんなところにこんなところがあったのかと、しばし感動。
骨髄とか出そう。

ため池のひとつには野鳥観察用のほったてがあって、覗き穴から観察して野鳥をあまり脅かさないようなつくりになっていた。前に友達んちでドイツのビオトープのビデオを観たときに出てたのと 同じものだったので、これかーと思う。
でも覗いてもなにもいなかった。
骨髄だけ出る。

湿地 別の湿地では、岸辺の草の陰で網を振るとコツブゲンゴロウがたくさんはいった。振れば振るほどコツブゲンゴロウ。ウチデのコツブ。なにがだ?

他にもキベリヒラタガムシもちょこちょことはいってくる。ぐるっと岸辺をまわるようにポイントを変えると、スジエビが捕れたりクロメダカやフナっこが捕れたり、他にもコミズムシやトンボやカゲロウのヤゴ、 ザリガニやどじょうが網にはいった。近くでカモが水浴びしてたり、おじちゃんが腰に手をあて僕や僕の向こうを見てたり、見上げれば木々のあいだから顔を出したマンションから 子供の笑い声が聞えてきたりして、滋養強壮に効いた。名前は知らないけど、紫や赤い色をしたトンボや飛んでたり水面をちょんちょんとしてたりして、お花が飛んでるーと思ってイノセントになった。

紫色のトンボ 帰って、下の大家さんに報告しようと思ったら目のおっきなかわいいコがいてドキドキしてUターンしてまた帰った。たぶん目の前の新築中の3階建に住む大家さんの新居で2世帯で住むひとりで 店番かなにかを頼まれてる息子の嫁めがーと思って、金だと思った。世の中金。でも10秒くらいでどうでもよくなる。適当さは年をとるごとに加速するが、いい年のとり方だと思った。そうか?
プラナリアー、プラナリアー、と口に出して遊ぶ。それから汚れた屋外ぶち込み水槽の水を取り替えて(毎日ひどく汚れる)、ウィーザー聴いてテンションあがってコーヒー飲んでハアハアしてプロバイダの ひととちょっとお話する。

今日もいい日だ。

今日の収穫: キベリヒラタガムシ×5匹

6月25日

 
ハイイロ・ワンペア 土手で貝捕り。今日は北区内で捕る。おもわぬ収穫でハイイロワンペを捕まえる。
帰って大家さんに話すと、地図を持ってきて別の穴場も教えてもらう。今度行ってみようと思う。
20日日ガム♂羽化もチラリ不全、24日日ガム♂♀それぞれ羽化、21日ヒメフチ1孵化、22日クロ1孵化。

今日の収穫: ハイイロゲンゴロウ×1ペア


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