保護?破壊?

これは当掲示板のふとした書き込みに端を発して、膨大なレスがよせられることになったあ る興味深いスレッドを、もったいないので復刻させたものです。まだご記憶の方も大勢いらっしゃいます でしょうが、当時立ち会わなかった方もぜひ、おもしろいのでご一読いただければと思います。
note:
ちなみにこの過去ログをわざわざひっぱってきたのは、改めて価値観や信条の差異に決着をはかろうとする ものでも、なにかの結論を導き出そうとするものでもありません。そういうところの意図は一切ありません。
それとこれは言うまでもありませんが、当然投稿文の内容はそれぞれ の投稿者の、そのときの意見なり文章です。そう思わなくなった方も変わらない方も、よりそう思うように なった方もいることでしょう。日は昇りまた沈み、一部の日本人形の髪は永遠に伸び続けますが、このコン テンツはあくまでもその当時のものです。投稿者の意見や姿勢が、そのまま現在の投稿者に引き継がれている とは思われないようお願いします。復刻に掲載を許可してくださった投稿者の方にはこの場でお礼申し上げま す。
なお、このテーマに関係ないと思われるものに関してのみ、キリ番ゲット等一部の書き込みを削除しました。ご了承 ください。
なにかご意見がありましたらどうかなんなりと掲示板への書き込みか、メールにて頂ければ嬉しいです。



スレッドNo.1984('02.10/28~11/19)


[1984] 疑問! 投稿者:やぶぅ 投稿日:2002/10/28(Mon) 21:29
どうもやぶぅです。今日、和歌山のレッドデータブックを見てふと思ったことがあります。
こっちではコガタノが絶滅ってことになってるんですが、「もし、もう和歌山にコガタノがいないとするとこっちではコガタノが復活するってことはないのか?」ってこ とを考えました。こっちでコガタノが復活することはあるんでしょうか?変な質問ですがだれか返事お願いします。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:ゆうちゃん 投稿日:2002/10/28(Mon) 22:05
どこかに、息を潜ませている奴らが繁殖して
増えるって事はないのだろうか???
[1984へのレス] 仮に再発見されたとしても 投稿者:まつまつ 投稿日:2002/10/29(Tue) 09:08
もしかすると放流したものかもしれませんしね。
琵琶湖のカミツキガメ騒動を見てて思ったのですが、そこで定着してしまった場合、 "琵琶湖産"っていうんでしょうか?

そう言えば近所にある溜め池、去年夏に水抜きしていたんですが、今年の秋には水生昆虫の(ミズカマやタイコウチですが) 巣になってました。近くに田圃ないし住宅地のなかにあるんですが(周辺住民もなんで必要なのか今ひとつ分かりません)確かに奥はちょっとした林なんですけどね。飛 んで来るんでしょうか?
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:そーるわん 投稿日:2002/10/29(Tue) 12:51
確信はないですが、放流したものが増えるなら、その前に生き残り 組も増えているはずだと思います。環境が変わっていないかぎり、絶滅種を他から持ってきても定着しないのでは?なんてことを思いました。
そこらへんはしまさ ん、あずまさんが詳しいのですが。

コガタノ、和歌山でもみつかるといいですね。埼玉でもここ何年だか、十何年だか見つかっていないみたいなんですけ ど。

>今年の秋には水生昆虫の(ミズカマやタイコウチですが)巣になってました。
なんでもないところにうじゃうじゃいることってありますね、僕にも 覚えがあります。やはり10月だったような。
田んぼとかいろんなところで羽化した新成虫たちが、越冬に適したところを求めて移動してくるからなんでしょう か。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:やぶぅ 投稿日:2002/10/29(Tue) 18:10
他の場所の種類の放流っていいんでしたっけ。たしか遺伝子がむちゃくちゃになるからやっちゃいけないのでは?
[1984へのレス] やっぱり放流は 投稿者:まつまつ 投稿日:2002/10/29(Tue) 19:50
どこでもマズイでしょう。
放流して定着してわーい!って喜ぶのも一種の環境破壊ぢ ゃないすかねえ。でもどこから来るんでしょうね、池の虫たちは......

でも、そーるわんさん。逆に考えると環境を整えれば彼らは戻ってくるのでしょうか ?
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:プニ 投稿日:2002/10/29(Tue) 23:06
レッドデータブックに絶滅とあっても、絶滅しているとは限りませんよ。
以前この板にも書きましたが、福岡県でも40数年ぶりに コガタノが採集されています・・・もっとも、その時点でコガタノが絶滅したとはなっていませんでしたけど。
それに、気持ちは判りますけど、やはり他の場所 への放流は駄目です。まつまつさんの言われている通り、環境破壊につながりかねません、バスやギルを違法放流している輩となんら変わらない事になりますから ・・・
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:UE 投稿日:2002/10/29(Tue) 23:46
ある場所で採集できると生息している事の証拠となりますが、採れないからいないという証拠にはなりません。
いない事の証明はむ つかしいです。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:そーるわん 投稿日:2002/10/30(Wed) 21:29
やぶぅ
>他の場所の種類の放流っていいんでしたっけ。たしか 遺伝子がむちゃくちゃになるからやっちゃいけないのでは?

まつまつさん
>どこでもマズイでしょう。
>放流して定着してわーい!って喜ぶのも一種 の環境破壊ぢゃないすかねえ。

プ二さん
>まつまつさんの言われている通り、環境破壊につながりかねません、バスやギルを違法放流している輩となんら 変わらない事になりますから・・・

そうですよね、普通・・・。正直に言いますと、僕は放流しちゃう方です。

産地の違うものとか、本来そこにいな いのを逃がすのはやはりマズいでしょうが(北海道のタガメみたいに)、どこからどこまでが環境破壊なのか実は僕よく分かってないです。

本当に環境に優し くするなら、捕まえたり網を沼にいれるだけで×な気がするし、公園のハト(外来種)だって駆逐しなきゃなんないし、下手したら人間いるだけで環境破壊です。でもそ れは極端な言い方ですよね?

いちいちそんなシビアには考えていられません。みんなどっかしらで「こっからこれ以上は環境破壊だな、うむ」という線を引く のだと思うのですが、僕はたぶんそれがまだユルいです。

ああ、でもこんなことを言ってみんなに嫌われたらどうしよう。。。
[1984へのレス] すみません 投稿者:まつまつ 投稿日:2002/10/30(Wed) 22:24
用語が違っていたかも。環境破壊ではなくて自然の生物分布に影響を及ぼすという意味で は自然破壊という方が正しいでしょうか?
しかし、そーるわんさんが言われるように線引きって出来ないのでは。生活のために田畑を切り開く、漁をする、あるい は家を建てるのに木を切り倒す....これらも極論すれば自然破壊になってしまうでしょう。人間が生きていくのには自然にある程度影響を及ぼして行かざるを得ないと 思います。要は"やりすぎない"ということかも。つまり必要以上に魚をとったり、木を切ったり、虫でも捕りすぎると結局無駄になる。これがあるところではその自然 の恵みが枯渇し、一方では無駄はゴミとして(こちらは)環境破壊をもたらす。プニさんの言われるバス放流も、人間が必要以上のことをしたためにもたらされた結果だ と思います。常に自然と向き合うとき、自然と共存するために必要な恩恵を受ける(これは虫の採集も同様と思います。ゲン君達の泳ぐ姿に癒されるとか、飼育して継 代出来た喜びとか....)だけの範囲にとどめる、どこまでは必要の範囲なのかというところに私としては自分なりの規範を求めたいと思っています。
貴重種の放流 は悪か?これは、その動物の性質を熟知しないと答えは見えないと思います。愛玩動物の野生化は思わぬ影響を及ぼしてしまう可能性があるからです。しかし、野生→ 飼育は既存の研究はなされるでしょうが、飼育→野生についてはなかなかテーマとして難しいでしょうね。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:プニ 投稿日:2002/10/31(Thu) 00:18
確かに、そーるわんさんの言う事は良く分かりますよ、嫌ったりしませんから大丈夫(笑)
私だって、採集に行ったりする時に結構自然を壊している様 な気がします。
希少種(ヤシャゲンは大丈夫でしょうけど)の生息地が環境破壊とは別に減少していると言う一因に、業者さんの乱獲が関わっているという話も聞 きますから・・・
まつまつさんの言われている、”自分なりの規範”と言うのが一番難しかったりするのでしょうね、個人個人のメンタリティーは違いますから・ ・・(まつまつさん、誤解しないで下さい、私は貴方の意見に全面的に賛成です!)
今日もヤフーのニュースで野生化したヌートリアの被害が広がっている事が出 ています。
ある程度の時間が経過しないと分からない事かもしれませんが、後になって取り返しのつかない事にならないようにしていかないといけませんね。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:UE 投稿日:2002/10/31(Thu) 00:53
環境破壊、自然破壊、難しい問題と思います。
現状維持のための最低限の管理は必要かと思いますが、自然のままの自然にこだわると、土砂の流入、 植生の遷移等で池沼が消えて行くのをただ見ていなければなりません。
豪雨、洪水で崩壊した土砂を取り除くのも、山火事で消失した森林に新たに植林することも 全て自然のままの自然に反する事になります。これらを放置することは保護なのか、破壊なのか?

今後は保護から一歩踏み込んだ、「復元」が今以上に主流に なって、ホタル池、トンボ池よりマイナーなゲンゴロウ沼が日の目を見る事もそう遠いことではないでしょう。
安易な移入に頼らず地物を増やして復元する。
その時こそゲンブリ屋の出番です。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:そーるわん 投稿日:2002/10/31(Thu) 13:01
みなさんありがとうございます、勉強になります。ほんと掲示板つ くってよかった。

>どこまでは必要の範囲なのかというところに私としては自分なりの規範を求めたいと思っています。
僕も同感です。お互いの規範を 比べあってよりよい水準をみつけられるようになったら素敵ですね。

>今日もヤフーのニュースで野生化したヌートリアの被害が広がっている事が出ていま す。
僕も見ました。猟友会が駆除しているんですよね、いつまで続くんでしょう。バスのキャッチ&キルもそうですが、僕はこういうニュースを聞くたびにいつも なんともいえない滑稽さを感じてしまいます。うまく説明できないんですが。

>安易な移入に頼らず地物を増やして復元する。
その時こそゲンブリ屋の 出番です。
そうですよね。よっしゃ。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:まつまつ 投稿日:2002/10/31(Thu) 17:55
プニさん、業者の乱獲は間の当たりにしたことありますが、ショッキングでした。ちょっと.......
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:そーるわん 投稿日:2002/11/01(Fri) 12:59
本来そこにいないものや増えすぎたものを駆除するのが滑稽だと書きましたが、その続きで す。うまく説明できるかもしれないです。

そういう減数調整、いつも人間はカヤの外ですよね。ほんとは自分たちが一番多すぎじゃないですか。それなのに少 子化とかいって、危機感をあおってるじゃないですか。第2子以降に税金かけたり、パイプカットを奨励する方がより自然なのですが(笑)、GNP的に困るんでしょう ね。
不自然です。

なに様なのでしょう、僕たちは。バスでもヌートリアでもイルカでも、殺すために殺すのは僕たちだけですよね。

それでいった ら戦争も必要悪です。認めちゃえばいいんでしょうか。笑っちゃいます。

外来種を持ちこまない、ペットの管理を厳しくする、とかの運動はどんどん高まって いくべきですが、それをかいくぐって本来の生態系に影響を与えはじめてしまったものへの対処の仕方は、検討の余地ありだと強く思います。

せめて食べる方 向にもってかないと。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:UE 投稿日:2002/11/01(Fri) 23:43
>外来種を持ちこまない、ペットの管理を厳しくする、

これもどこで線を引くか難しいですね。
馬、牛、犬、猫等も外来種ですから。
家畜、ペットはよしとすると抜け道ができちゃうし...
いっそ外国人も来るな、と鎖国しますか..
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:あずま 投稿日:2002/11/02(Sat) 13:11 <HOME>
気が向いたときだけ書き込む、気まぐれなアズマです。
この問題は、とてむ難しくて私が議論できる立場ではありませんが、自分の意見を簡潔に述べたいです。そ もそもタガメやゲンゴロウが生息している水田や溜め池などは、95%以上は人工的な環境です。本来の自然のものではありません。人間が本来そこにあった木を切り倒 し、水田を開拓し、水田の水を引くための水を確保するために山を削って溜め池を作ったわけです。そういった自然破壊の産物にタガメやゲンゴロウが多産していま す。あまり詳細なことは口外できませんが、タガメやゲンゴロウに限っていえば、本来存在している自然環境で生活するよりも、人為的な水田や溜め池などの環境のほ うが効果的に繁栄することが生態学的に証明されつつあります。実際、タガメやゲンゴロウは日本の稲作と共に繁栄し、生息域を拡大してきました。水生昆虫に限って いえば、自然環境を保護するよりも、水田や溜め池など日本古来からある稲作を保存すべきと思っています。ただし、古来の稲作とは、素掘りの堀上で、護岸工事をし ていないため池を意味します。時代が変わり、農業の効率化のため、現在では、3面コンクリート張りの堀上や護岸工事された池が主流となっていますが、これこそが タガメやゲンゴロウの大きな減少要因となっている気がします。
また、個人の線引きとありますが、これほどいい加減なものはないと感じております。先日、千代 田区で歩きタバコが条例で規制されました。これは個人のモラルでは防げないため、法的な規制が制定されたわけです。同様に、バサーがゲリラ的を放流をしているの も、個人個人の考え方の違いからかもしれません。もはや、個人のモラルではどうしようもないと、琵琶湖では、条例で放流を禁止したのは記憶に新しいと思います。 将来的に、タガメは放流してはいけないという条例が施行される県や自治体が出てくることと思われます。ブリーダーの方は、ただ飼育するだけでなく、それが野外に 逃げ出した場合、どういう事が起こるのか、放流した場合、生態系に与える影響はどうなのか、など、十分考えた上で飼育することを望みます。すでに山梨県で採集さ れるオオクワは、100%ブリード個体といわれるような悲惨な状況です。生き物を飼うと言うことは、それなりの責任感をしっかり持って欲しいです。それができない 人は、飼育する資格なしとみなします。そういう方は、まずは生態学の基礎から学ぶべきです。(^^)
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:UE 投稿日:2002/11/02(Sat) 15:05
>自然環境を保護するよりも、水田や溜め池など日本古来からある稲作を保存すべきと思っています。

農家の労力削減、生産性の向上を否定する 事になるので、行政の介入なしには出来ないでしょうね。
農家個人に押し付けるのは酷な話です。
高齢化と輸入の自由化で瀕死の日本農業に余力はあるのか ?

それ以前に人間と半共生の水生昆虫をとるか本当の野生をとるかの選択もありますし...
半共生で良いのなら見本園のような農村ビオトープでも事足り るということになるのかな。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:そーるわん 投稿日:2002/11/02(Sat) 18:20
あずまさん、いやいやおひさしぶりです。
この問題は難しいんでしょうね、素人が見ても簡単にはいかなそうな のが分かります。

>ブリーダーの方は、ただ飼育するだけでなく、それが野外に逃げ出した場合、どういう事が起こるのか、放流した場合、生態系に与える影 響はどうなのか、など、十分考えた上で飼育することを望みます。

そうですね、特に僕はよく考える必要がありそうですね。せめて放流するようなスタイルで 飼育するのなら、飼育しているというより借りてきているくらいの考えで、返すときは元の場所に、という節度をもたないとダメかもしれませんね。

前にクロ メダカの、地域差による遺伝子的特異性を保持するために[放流をするべきでない]という話題を耳にしたときに、僕は「遺伝子が違くたってメダカはメダカじゃん、4 0%が混血のブラジル国民に聞かせてやれよ」と思いました(すいません、薄学なので例えが粗いですね)。

でも今は、あえて違う産地に放流することないな、 と思うようになりました。正直なところ別に地域特性をリスペクトするようになったわけではないのですが、僕がそれを乱す必要もないし、というまだ消極的な理由な んですが…。

でも掲示板を持って、いろいろなひとと知り合えて、こういう話ができるようになってほんとよかったです。インターネットもやらず、ゲンゴロ ウ友達もつくらずにいたらそこにさえ至っていなかったと思います。

ほんと勉強になります。
[1984へのレス] Re: 疑問!線引き 投稿者:haino 投稿日:2002/11/02(Sat) 19:11
個人の線引き、モラル、新たな法的規制

全然話題が違うかもしれませんが、学校で「校則をなぜ守らなければいけないか」という 話を思い出しました。先生曰く、校則で服装の乱れや頭髪の色、喫煙、バイクを禁止するのは厳しいとの意見を聞いている。しかし、個人の外見が乱れてくると、その 姿を見て、さらに危険な誘いが集まってくる。果てはヤクザまで。  個人の行動を縛るつもりは無いが、せめて外見をちゃんとさせて、悪の誘いが減るようにしたい。 との事でした。

放流に関しては、学術的には厳しく取り扱うべきだと思いますが、すでに多くの生物種で乱れております。
昆虫採集に関して、古い時代は よく知りませんが、ここ10年くらいから煙幕採集などが始まり、モラルが無くなりつつある感です。
上記2件は、愛好家が多数いて、研究も発展している、メジャー な種(メダカとかオオクワガタとか)でよく見られます。

それに比較すれば、水生昆虫分野はまだ成熟発展してないと思います。まだ、中学生か高校生くらい に、いろんな未来が、可能性が広がっているでしょう。
水生昆虫に精通する人が学校の校則のような採集&飼育規則を作ることも最近必要かな~と少し思いますが、 せめて個人個人の精進を怠らず、その姿をアピールすると、きっといい未来がやって来るだろうなと思ってます。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:ケイ虫 投稿日:2002/11/02(Sat) 21:03
まつまつさん、はじめましてですね。きっと。ケイ虫です。広島に住む14歳です。水生昆虫はまだまだド素人ですが、がんばりまっす !!!
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:プニ 投稿日:2002/11/02(Sat) 22:25
みなさんの貴重な意見を拝見いたしまして、つくづく人間って生き物はなんてエゴイスティックなんだろうと痛感させられてしまいました・・・
でも、このままじゃないですよね?
[1984へのレス] ケイ虫さん 投稿者:まつまつ 投稿日:2002/11/02(Sat) 23:10
水生昆虫は人間との共存で生きていける種なんだと思いました。人間も自然と友達にならないとね。
将来設計も見通してですが、最近 (時間が無いのが難点ですが)農業技術を習おうと思っています。近所の人たちと農家の土地を買ってそこに人工池を作る計画は進行中ですが、これだけでは生きた自然 を楽しむことにはなるまい、とのことでいっそ農業しようと言うことになりつつあるのです。ゲンゴロウやタガメがいきいきと泳ぎ、秋には稲穂がたれる風景を創造し たいがために。一朝一夕には行きませんし、生やさしいことでは生計を立てるのは難しいかも知れませんが......プニさん、私は人間は本質的にエゴイストだとは思い ません。ただ便利な世の中(これは文明に当たるのでしょうか?)が私達の目をふさぎ、耳をふさぎ、時間を早回しにしていると漠然と思ってます。しっかり自分の足で 周りを見て足で歩いて、肌で感じる。そういう人を増やすことが(偶然です)エゴ→エコへ転換させる一歩になると信じています。変ですか?
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:そーるわん 投稿日:2002/11/03(Sun) 20:03
hainoさん
>それに比較すれば、水生昆虫分野はまだ成熟発展してないと思います。まだ、中学生か高校生くら いに、いろんな未来が、可能性が広がっているでしょう。

そうかもしれませんね。メダカやオオクワの現状を教訓に、せめて水生昆虫まで2の舞にさせること のないようにしないといけないんでしょうね。
しかし将来、水生昆虫の分野にスポットがあたったときに知名度や人気、換金性に負けないマナーやルール、モラル が必要ですね。法規制とか教育改革とか、水生昆虫を飛び越えて、ひとすじなわじゃいかないところへのアピールが欠かせないと思います。
みんながそれぞれ、で きる範囲でなにかしていかければダメだと思います。

まつまつさん

>しっかり自分の足で周りを見て足で歩いて、肌で感じる。そういう人を増やすこ とが(偶然です)エゴ→エコへ転換させる一歩になると信じています。

同感です。肌で感じて耳で聞いて目で見た実感は史上最強です。誰になんと言われようと、 失意の海で窒息しかけてもそれがあればヘッチャラです、絶対に。
エコだけでなく、あらゆるものすべての原動力です。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:しま 投稿日:2002/11/05(Tue) 13:02
●あずまさん、UEさん
>>自然環境を保護するよりも、水田や溜め池など日本古来からある稲作を保存すべきと>思っています。

>農家の労力削減、生産性の向上を否定する事になるので、行政の介入なしには出来ない>でしょうね。
>農家個人に押し付けるのは酷な話です。

現在、全国で保護しようとしている自然環境の多くが二次的自然です。近年、農林水産業の方法が変わって生物が減ってきたということは、かつて行われていた方法が 二次的自然に依存して生きてきた生物たちにとって適切な環境管理であったということです。ですから、里地・里山の自然を保護するためには、かつての農林水産業で 行われていた方法に沿って植生管理を行うことが自然環境を保護することにつながります。

しかし、現在の農林水産業の方法を否定することは、UEさんが懸念 しているように効率化・省力化等を図りたい農家にとって、大きな負担を強いることになります。
ですが、ご安心を。行政主導で検討が進められております。
農林水産省、国土交通省、環境省等が連携して身近な生物の保護プロジェクトとして、水田~農業用水~河川間の生物生息を考慮した環境作りや補助について検討が既 に始まっております。


●そーるわんさん
>でも今は、あえて違う産地に放流することないな、と思うようになりました。正直なと>ころ別に地域特性 をリスペクトするようになったわけではないのですが、僕がそれを乱>す必要もないし、というまだ消極的な理由なんですが…。

それでは、そーるわんさんが、 仮に島根県のシャープゲンゴロウモドキ(コゲンモ)を繁殖させているとして、たくさん増えた個体を放流しようと思ったとします。家から一番近いシャープゲンゴロ ウモドキの生息地は、千葉県のアズマゲンゴロウモドキの生息場所です。さて、どうしますか?

ここで、千葉県に放流すれば、産地は違うけど同じシャープゲ ンゴロウモドキがたくさん増えるからいいや。と思いますか?
アズマの生息地にコゲンモを放すと、交雑して子孫はアズマとコゲンモの混血になってしまい、純粋 なアズマはいなくなってしまいますね。そうなると、1亜種絶滅したというだけでなく、ゲンモ属の中で日本最南端で生き残ってきたアズマの歴史的価値をも消失させ ることになりますよね。

種類が一緒だから、見た目が一緒だからといって、他地域放流を行うと、上記にあげたことと同じことが起きます。遺伝子レベルでは、 貴重な地域個体群が見つかるかもしれないので、積極的な他地域放流反対論者になってもらいたいもんです。

バスやヌートリアの駆除にしたって、安易な放流 によって、農林水産業に多大な影響を及ぼすために駆除しろという要望が寄せられる一方、可愛そうだから駆除するなという要望があり、駆除担当者は板挟みです。担 当者だって駆除しなくて済むのなら、したくはないでしょう。
安易な放流は、いつか誰かが尻ぬぐいをしなくてはならなくなるかもしれないです。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:UE 投稿日:2002/11/06(Wed) 00:00
久しぶりですね、しまさん。
今やその筋の本職だから言う事が違いますね。

>水田~農業用水~河川間の生物生息

これだけでも大 きな前進ですが、水田周辺の里山も考慮しなければ、過去にムラとノラが一連の関係だった頃には戻れない気がします。
今どき薪拾いするひともいないでしょうか ら山は荒れてます。
それと行政主導で手間をかけて作った米に競争力があるとは思えません。まだ時間がかかりそうですね。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:そーるわん 投稿日:2002/11/06(Wed) 12:57
しまさんおひさしぶりです。
もう引越しは終わりましたか?水物は大変ですよね。

増えすぎたコゲンモ をアズマの生息地に逃がすかということですが、逃がさないです。
こういうふうに言うのは恥ずかしいのですが、逃がさないのは遺伝的多様性の尊重からではなく、 やはり一般的にこの件に関してとても慎重に扱われているということが分かっているからです。

でもガムシやシマゲンとかになると、世論はそんなに盛り上が ってないし、他産地に放流してもそんなに罪悪感はないです。もうしないですけど^^;。

いないところに逃がしたらバスやヌーみたいになってしまうんでしょう けど、いるところだったら遺伝子レベルでの違いなんて分からないし、正直、見た目が一緒だったら一般のひとはほとんど気にしないんじゃないでしょうか。hainoさん が、放流は学術的には厳しく取り扱うべきだと言っていましたが、学術的見地というものさしを持っている一般人はほとんどいないと思います。
そういう意味では 僕も含めてどんどん勉強してその価値基準を当たり前のこととして、世の中にひろめていかなければならないんだなあ、とは思います。

>積極的な他地域放流 反対論者になってもらいたいもんです。
無学ですいません、なんとか少しずつ勉強していきます。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:プニ 投稿日:2002/11/06(Wed) 17:29
>行政主導で検討が進められています。
有機農法って事ですかね?
>農林水産省、国土交通省、環境省等が連携して身近な生物の保護プロジェク トとして・・・
身近な生物ってどんな規範で決まるのでしょうか?勿論、今までみたいな破壊だけに比べると大きな進歩なのでしょう!
それに以前、希少生物 の生息地の保護等の話題がのぼった時にも書いたのですが、どうも私は役人のする事が信用できないのです。
どこぞの莫迦首相みたいに言う事はりっぱでも何にも しない!と言う事が多々あるし・・・
お為ごかしの環境保護にはウンザリしているもので、どうも猜疑心が強くなっています。
二次的自然環境(かつて水生昆 虫が沢山いた時代)に戻すのは現実的には難しいでしょうが、少なくても現状維持以上の事はしていってもらいたいですね。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:やぶぅ 投稿日:2002/11/06(Wed) 18:33
遺伝子かく乱の阻止、自然環境の保護、復元、僕はうまく言い表せないんですがどれも難しい問題なんですね。ほんとほんとに勉強になり ます。
しまさん
>積極的な他地域放流反対論者になってもらいたいもんです。
こんにちはしまさん、僕も少しずつでもなっていきますよ。「放流しても増 えるんだからいいだろ」と思ってた僕の安易な考えが実行される前にこの話を聞けてホントによかったと思います。
プニさん
>二次的自然環境(かつて水生昆 虫が沢山いた時代)に戻すのは・・・
同感です。農林水産省、国土交通省、環境省さんたちにはがんばってもらいたいです。そして僕自身もそういうこと将来して いきたいです。

[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:あずま 投稿日:2002/11/07(Thu) 00:32 <HOME>
アズマとコゲンモの例は、極端な例ですが、飼育 下でガムシやゲンゴロウを飼育した場合、天然個体よりも小さいと思ったことはありませんか?
これは単に飼育しているため、餌や水質なども大いに関係あるだろ うし、確かに一番の要因と思われます。ただ、飼育によって、明らかかに形態的差異のある魚(アマゴ)が動物学会で発表されました。当然、遺伝的な差異もあります。
見た目が一緒と言うのは非常にあいまいな表現です。足の毛の数の大小によっても同種ではないです(遺伝子が違います)。飼育下で小型個体が生じた場合、本当 に飼育環境下だけの問題として片付けてよいものか、最近疑問に感じております。もしかすると、遺伝的な差異が生じたことによって、野生よりも小さくなったとも考 えることもできます。特に、昆虫のような世代交代の早い生物は、遺伝子の組み変わる頻度や変異が早く、そのため、ショウジョウバエは遺伝子工学の分野で花形とな りました。実験用に、色々な形態のハショウジョウバエが知られています。フライトレスフライ(羽なしバエ)なんかも、飛ばないため、両生類や爬虫類の餌としても 脚光を浴びています。あくまでも推測ですが、飼育下の種々の要因によって、短期間に遺伝的に小型化した個体も出現してもおかしくないと思っています。見た目は同 じですが、大きさは明らかに違う個体です。野生では、弱肉強食で、弱い(小さい)個体は餌となりますが、飼育下では生存競争がなく、弱いものでも生きることが可 能です。可能性は低いと思いますが、遺伝的な要因もあると想像しています。従って、同じ場所で捕ったゲンゴロウやガムシでも、飼育し累代繁殖した個体は、野生個 体の遺伝子の「野生の部分の遺伝子」を欠如している気がしています。もはや家畜昆虫です。そういう個体を放せば、遺伝子かく乱の原因(野生の遺伝子を追いやる) にもなるばかりでなく、家畜化した個体は野外で生存するのは難しいと思っています(見殺し放流)。先にも記載した通り、アズマとコゲンモの例は極端かもしれませ んが、ガムシであっても、同所で採集した個体でも、繁殖個体(家畜化)は、もはや遺伝的に変わっていることを否定できません。最初から放流するのなら、採集すべ きではないと思います。累代した個体は最後まで面倒を見るべきです。増えすぎたから逃す、これは、バサーのゲリラ的放流と何ら変わらない気がします。
[1984へのレス] やぶぅさん 投稿者:まつまつ 投稿日:2002/11/07(Thu) 11:19
なんだかすごい白熱した討論になっていますよ。
しかし、私自身は自然にかんしてこのように真剣に議論も出来、ちょっと戯れたりも できるここが居心地いいです。

二次的自然環境についてですが、BOX in BOX という考え方があって、地球単位をある一つの箱の中の環境と考えます。すると その中にさらに小さい箱環境(例えばある気候圏とか、大陸環境みたいな)があって、さらに...自分のすんでいる場所→自分の家→自分の周り→人体内→遺伝子環境→ ...というようなだまし箱環境の連続で宇宙を含めた環境と生体内環境は及ぼしあっているのだという社会生物学とも言うべき理論です。その中で二次的自然は当然その 外側のその地方の環境に影響を及ぼす訳ですし、逆に私達の人体環境にも変化を与えるということになり、あずまさんの言われる遺伝子撹乱を含めた遺伝子環境はその 虫たちだけではなく、私達の遺伝子にも少なからざる影響を及ぼす可能性があります。今は具体例を挙げられませんが、野生化家畜の食被害に新たな駆逐薬剤を散布し、 環境ホルモンのような体内信号の撹乱を招く事態など。私達は今ビオトープを含めた”二次的自然環境”の構築を目指そうとしていますが、必ずしもそれが善であるか については私達のグループでは疑問の声が挙がっています。前にも書きましたが要は過度を越えないこと。余剰は無駄として悪影響を及ぼしますし、希少種だけを保護 するどころかおもわぬしっぺ返しを食らう可能性もあると思います。繁殖に成功しいつもカワイイ虫たちに囲まれても、それは水槽の中でカワイイのであって自然には かわいくないかもしれません。話がそれましたが、そう言う意味で二次的自然環境の再現は本当に難しいなと考えるようになりました。せめて設計図でもあればいいで すのにね(笑)
しかし、計画の第一段階として、池が完成しましたので、来春くらいに人工的自然環境で虫たちはどう生きていくのか見て行きたいと思います。 (池といっても自然放流=逃亡にならない様に予防策を講じないといけないところに頭を悩ましてます)
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:UE 投稿日:2002/11/07(Thu) 12:56
>飼育し累代繁殖した個体は、野生個体の遺伝子の「野生の部分の遺伝子」を欠如している気がしています。

これは飼育下で獲得(?)した形質 がわずか1~2世代で固定されしかも遺伝するということですか?
にわかには信じられないことですが....
絶滅危惧種をブリードで守ろうというのは無意味な ことですか?

日焼けした白人の子は黒人になってしまう....
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:そーるわん 投稿日:2002/11/07(Thu) 13:00
プニさん
>少なくても現状維持以上の事はしていってもらいたいですね。

ほんとです。たしか日本は先 進国の中では自然保護の考えが遅れてるんですよね?自動車分野はともかく。
がんばってもらいたいものです。

やぶぅ
>同感です。農林水産省、国土 交通省、環境省さんたちにはがんばってもらいたいです。そして僕自身もそういうこと将来していきたいです。

そして僕自身もそういうことを将来していきた い。うーん、すごいね僕も言えたらいいのに。僕はNHKのみんなのうたで「スイスイ、ゲンゴロウ」をつくります。なんの役にたつのか分からないけど。
でもそれは それでいいよね、きっと。やぶぅがんばれ。

あずまさん
いつも同じことを言わせてしまってすいません。これも知り合ってしまった縁と、長い目でみてあ げてください。

まつまつさん
>しかし、私自身は自然にかんしてこのように真剣に議論も出来、ちょっと戯れたりもできるここが居心地いいです。

僕もそういうところが好きです。ここはいいところです、うん。ほんと掲示板つくってよかった。ほっ。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:しま 投稿日:2002/11/07(Thu) 13:13
●UEさん
>これだけでも大きな前進ですが、水田周辺の里山も考慮しなければ、過去にムラとノラが一連の関係だった頃には戻れない 気がします。

かつての農村環境であるムラ(集落)、ノラ(耕地)、ヤマ(二次林)の連続性(農村における生態系の多様性)を確保できなくては、生物の完 全復活は無いですね。まだまだ課題は山積みといったところですね。

>それと行政主導で手間をかけて作った米に競争力があるとは思えません。まだ時間がか かりそうですね。

水田生物保護の検討の中では、肝心の農作物の生産性については、まだ触れられてないようです。検討も始まったばかりですし、まだまだこ れからです。

●そーるわんさん
>正直、見た目が一緒だったら一般のひとはほとんど気にしな いんじゃないでしょうか。hainoさんが、放流は学術的には厳しく取り扱うべきだと言っていましたが、学術的見地というものさしを持っている一般人はほとんどいな いと思います。

ぱっと見ただけでわからないのが、一番怖いことだと思います。
自分の知らない間に、「○○池特産のゲンゴロウ」が得体の知れないゲン ゴロウに変わってしまっていたら、怖いでしょ。

例えば、自分自身がこの場所は自然が一杯だ。と思いこんでいた場所が実は、外来種や他地域の生物ばかり で、本当の自然ではないと気づかされたりするとショックだったりしますよね。
だからこそ、分かっている人たちが啓発していかなきゃいけない問題だと思うんで す。

>>積極的な他地域放流反対論者になってもらいたいもんです。
>無学ですいません、なんとか少しずつ勉強していきます。

そーるわんさ んなら、分かっているだろうとは思っていましたが、ここを見ている若い人たちもいるので、あえて書いちゃいました。気にしないで下さいね。

●プニさん
>有機農法って事ですかね?

いえ、あくまでも生息環境の改善策の検討です。
水田~農業用水~河川へと自由に行き来可能な整備方法について検討が 始まったところです。農薬うんぬんの話は、まだ出てきていません。

>身近な生物ってどんな規範で決まるのでしょうか?勿論、今までみたいな破壊だけに比 べると大きな進歩なのでしょう!

やっと、政府も腰を上げてくれました。省同士で連携して検討を始めた所を評価したいです。

●やぶぅくん
放 流って難しいよね。他地域の生物を放流して定着したとしても、そこは動物園(サファリパーク)と同じだよね。
今いる生物が安心して暮らせるような環境作りを 目指そうよ!

●あずまさん
繁殖個体の放流の際に、必ず問題になりますね。
何世代目までだったら大丈夫だとか、全く駄目だとか研究者の間でも意見 が割れてますね。
私個人的には、野生個体が絶滅、もしくは環境整備しても絶滅の危機がまぬがれない場合、その地域の繁殖個体の放流はOKではないかなと思って います。
何にしろ、放流はデリケートな問題を含んでいるので、放流を検討する前に環境整備が重要ですね。

●まつまつさん
ビオトープ作りの目的 は、既存の生態系の補完であって欲しいと思います。箱を作って貴重な生物を泳がせただけでは、それはビオトープではありません。外からビオトープを利用する生物 が現れて、初めてビオトープとなります。頑張って下さい。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:あずま 投稿日:2002/11/07(Thu) 17:26 <HOME>
しまさん

>私個人的には、野生 個体が絶滅、もしくは環境整備しても絶滅の危機
>がまぬがれない場合、その地域の繁殖個体の放流はOKではないかなと
>思っています。

そうなる前 に何とかブリード技術を生かして欲しいと願っています。私が積極的に学会や論文投稿するのは、自己満足の他、世間や行政、あるいは学会に少しでもその状況を知ら せることで、将来の保護には多少なりとも貢献できると思うからです。趣味の一環だけでは、もはや行政や自治体を動かすことは困難です。手っ取り早い方法として、 学者に認識させることが近道と考えています。実際、全国の昆虫館、ビオトープ関連施設、大学等からも、その関係の問い合わせが多いです。昨晩も静岡の某昆虫関連 施設から、タガメについての問い合わせが来て、回答を考えています。(^^;

まつまつさん

私もしまさんと同意見です。ビオトープとは、自分の好き な種を入れるのではなく、空の箱を作り、勝手に住み着かせることに意義があると思います。最初から入れるものを決めている場合は、ビオトープではなく、「自然昆 虫園」と呼んだ方が良いと思います。(^^)

UEさん

>これは飼育下で獲得(?)した形質がわずか1~2世代で固定されし
>かも遺伝するというこ とですか?
>にわかには信じられないことですが....
>絶滅危惧種をブリードで守ろうというのは無意味なことですか?

ショウジョウバエやでは、簡 単な紫外線照射だけで、突然変異が誘発されることは普通の現象ですし、それ以外の報告もたくさん知られております。飼育下と言う特殊な環境では、形質転換は意外 と容易に行われることは十分考えられるし、むしろ否定されたデータがないです。また、環境によって短期間で変化する遺伝子の存在も知られております。飼育下のラ イトの過剰照射によって、卵が突然変異を受けるのはあってもおかしくないと思います。応用集団遺伝学の常識から、生物は種や集団として繁殖維持されています。そ のために生物集団は多様な環境下において種特有の適応遺伝子と集団としての多様性(遺伝的変異)を保有していることは、周知の事実です。自然から隔離した飼育下で の個体は、果たして集団遺伝学的にどのようなことが、起こっているか興味深いです。病原菌の農薬や殺虫剤においては、遺伝子の変化した個体(耐性菌)の出現は、 普通の現象ですよ。特に生活史の短い(1年多化)種では、結構いそうな気がしています。飼育下では、殺虫剤、タバコ、蛍光灯、芳香剤など、自然界にはない物質に相 当暴露されていますから。ただし、これらの記載は、状況証拠だけで、証明されてはいません。私の仮説と思って聞き流してください。(^^)

個人的には種その ものはブリード個体では代替できないと思います。願わくば、そのブリード技術を種の保存に生かせるようにすることが重要と思います。ブリード個体を放流して、種 を保存することは、遺伝子分析の裏付けや長い年月の追跡調査等の結果を待たねばわからないことです。いったん、自然界からいなくなった種は、そう簡単には帰って きません。環境省流に言えば、種が絶滅してしまえば、絶滅種です。飼育下で生き残っている場合は、野生絶滅と区別しているように、一線がしかれています。

そーるわんさん

>いつも同じことを言わせてしまってすいません。これも知り合ってしまった縁と、長い目でみてあげてください。

いつもの 事なので気にしてません。知り合いの業者さんなんかにも、自然保護団体から飼育下の個体(外産も含め)の脱走や野生化に対する警告、それに貴重種の売買禁止の忠 告なんかもよくあるそうです。これは、業者だけでなく、我々、ブリーダーにも共通することですね。(^^)
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:やぶぅ 投稿日:2002/11/07(Thu) 23:02
あずまさん

>同所で採集した個体でも、繁殖固体(家畜化)は・・・

つまり、捕まえてきて繁殖した固体は野生本能を なくしてそれだけで遺伝子が変わっているかもしれないってことですか?じゃあ、同所で採集したにしても、別所で採集したにしても繁殖したら、放流することは危険 であるということですね。ではその正しい結果がでるまでは産地の復活やビオトープなどで時間をかけて野生種を増やしていくしかないんでしょうか。

しまさ ん

>放流って難しいよね。

ほんと難しいです。自分でも何言ってるのかわかんなく
なって頭の中がこんがらがってきます。でもちゃんと意見を だして
できるだけいい答えを出したいです。それに池それぞれの固有種を残していきたいですし。

そーるわんさん
「スイスイ、ゲンゴロウ」という 歌を作ることによってゲンゴロウの知名度がぐっと上がるはずです。そうなると人はゲンゴロウが身近にいないことにきずくでしょう。そうすりゃ環境保護に少しでも 役立つんではないでしょうか。もちろんそのときは「バタバタ、ガムシ」も作ってください。     (なんかエラそうにかきすぎました)
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:あずま 投稿日:2002/11/08(Fri) 12:40 <HOME>
>つまり、捕まえてきて繁殖した固体は野 生本能をなくしてそれだけで
>遺伝子が変わっているかもしれな
>いってことですか?
>じゃあ、同所で採集したにしても、別所で採集したにしても繁殖し た
>ら、放流することは危険であるということですね。

集団遺伝学的な観点から、それを肯定するデータは無数ありますが、否定するデータは知りません。 それから推測しただけです。それをもわからないまま、飼育繁殖個体を放流することこそ、問題があると思います。

>ではその正しい結果がでるまでは産地の 復活やビオトープなどで時間
>をかけて野生種を増やしていくしかないんでしょうか。

恐らく正しい結果は誰もわからないことだし(科学的に証明できて も、真実かどうかはわからない)、自然(生息)環境とは、長い歴史を経て出来て行く物です。100-200年以上の月日も必要かもしれません。今ある環境をこれ以上壊さ ないようにするしかないのかもしれません。

参考までに、私が接触したほとんどの学者や自然保護に携わっている人の意見では、ブリード個体で種を維持する ことは肯定的では無いような印象を持っています。飼育で保護するよりも、野外採集個体を凍結保存し、いつの日か生息できる環境が復元したら、遺伝子を復活させるこ とを薦める者もいるのは事実です。以前、イギリスの昆虫関係の科学誌に投稿したことがありますが、審査員から「飼育下での事象は、必ずしも生態を反映するもので はない」とキッパリとコメントされ、却下されたことがあります。その時、「飼育個体=家畜」ということが、世間(学会)では一般的なのかと反省したことがありま す。飼育個体を増やし、種を保存しようとするのは、私個人の思い上がりと指摘されたと感じ、自分の無知さに情けなくなりました。今、飼育繁殖を通して、種の生態 を間接的に推測し(もちろん野外個体との対比を行いつつ)、そこから得られた知見をアピールして行くのが自分流の保護かな、なんて考えています。
以前は自然 保護活動をも視野に入れ、活動するつもりでしたが、専門家の目から見たら、それは趣味の一環で、保護と呼べるものではないと指摘されたとき、「種や環境の保護」 は私の知識、考え方では出来ないと思い、早々と退散しました。(^^;
私の手におえるものではないと、痛感しました。ですが、飼育繁殖から得られた知見を十分自 然保護に貢献できることもわかりました。私は、ビオトープや里山保護と言った、表舞台は専門家に任せ、裏の世界から、細々と援護していくつもりです。多分それが 形になるのは、数百年後かもしれませんが。(^^)
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:UE 投稿日:2002/11/08(Fri) 12:49
リュウキュウアユの定着が確認されたと新聞にありましたが、
あれも、奄美産が沖縄で定着しただけのことで、視点を変えると
バスの放流と同じ 事?
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:プニ 投稿日:2002/11/08(Fri) 18:12
>自然保護活動をも視野に入れ、活動するつもりでしたが、専門家の目から見たら、それは趣味の一環で、保護と呼べるものではないと指摘されたとき・・ ・ショックでした、愕然としました、そして憤りを感じざるを得ませんでした!
漠然とは「自然個体≠飼育個体」と感じていました、となれば飼育での保護は成り 立たないのかもしれません、しかし多くの人々がそれを認知しているのでしょうか?
否、断じて否だと思います。逆に今ある環境の保全も勿論ですが、飼育繁殖さ せれば種の保存は成る!と思っている人の方が多いのではないでしょうか?
あずまさん程の経験知識の持ち主でも”思い上がり”と一蹴されるのなら、そのお偉い 専門家の方たちが私のようなズブの素人でも判るように声を荒げて警鐘をならすべきなのでは?と思いました。
>野外採集個体を凍結保存し、いつの日か生息でき る環境が復元したら、遺伝子を復活させる
・・・これってどうなんでしょう?全然専門的なことは判りませんが、保存した遺伝子を100%復元できるのでしょう か?もし仮に数%でも欠損していた場合、また自然個体が存在して無く、飼育個体から遺伝子を補完した場合、ある意味”キメラ”となりオリジナル個体とは言えない のではないでしょうか?
・・・だんだん、自分でも何を言っているのか判らなくなってきました(笑)
ただこれだけは大声で叫ばせて下さい「NO MORE  自然破壊(英語がわかりませんでした)」
偉そうに拳を振り上げてしまいましたが、ご容赦下さい。m(_ _)m
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:あずま 投稿日:2002/11/08(Fri) 21:06 <HOME>
プニさん

ありがとうございます。(^^)

>しかし多くの人々がそれを認知しているのでしょうか?

認知していれば、バスの放流はもちろん、本来生息していない種が定着するはずもないと思 います。

>育繁殖させれば種の保存は成る!と思っている人の方が多いので
>はないでしょうか?

多いと思いますが、想像と真実とは、別ですよ ね。

>あずまさん程の経験知識の持ち主でも”思い上がり”と一蹴さ
>れるのなら、そのお偉い専門家の方たちが私のようなズブの素人

いえいえ、 私は環境保護のこともわからないし、種の保存も全くの素人です。専門家はそれなりの経験を持っているので、論理はとおっています。

>全然専門的なことは 判りませんが、保存した遺伝子を100%復

もちろん、それらの技術を確立するまでの猶予を含んでの話です。
遺体の凍結保存サービスというアメリカの 記事を見ましたが、凍結保存後、100%復活できるようになるまで保存だけ保証する新手の商売があるようです。人間社会でも、そのようなことが実際に行われつつあり ます。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:しま 投稿日:2002/11/08(Fri) 23:59
●UEさん
>リュウキュウアユの定着が確認されたと新聞にありましたが、
バスとは違って、絶滅したものを復元したわけですか ら、生態系への影響は、軽微なのかなと想像しています。
沖縄では野生絶滅しているので、この移入によって遺伝子交雑は起きないですし。
残念なのは、純粋 な沖縄産では無いという所ですね。
バスと言うよりも朱鷺の例に近いような気がしませんか?

●プニさん
>逆に今ある環境の保全も勿論ですが、飼育 繁殖させれば種の保存は成る!と思っている人の方が多いのではないでしょうか?

もちろん、飼育繁殖させれば種の保存は成ります。しかし、自然保護を目的 とした場合、野外で増えてこそ目的は達成されます。
自然保護を目的とした飼育繁殖計画は、多く行われていますし、研究も進められています。その場合の飼育繁 殖計画は、単に種の保存を目指すものではなく、野生復帰させる事を目的としています。従って、生息環境の保全と一体化して進めなくては無意味です。水槽の中だけ で増えていても、それは自然ではないですよね。

研究を続けながら、生息環境の保全も行うのは、個人で行うのは困難ですし、中途半端になるおそれもありま す。
ですから、あずまさんが研究に専念し、学識経験者へアピールする道を選んだ事に敬意を表しますし、協力したいと思っています。
さらに、地元保護団体 等に生息地保全のための情報提供をするとか協力関係を築けば、行政に対して共同で提言活動も行えます。形になるのはそう遠い事ではないと思っています。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:UE 投稿日:2002/11/09(Sat) 10:10
>単に種の保存を目指すものではなく、野生復帰させる事を目的としています。

飼育個体の放流を否定して野生復帰とは、放流したけりゃ絶滅す るまで待てと言う事?絶滅種のみに適用?
素人の飼育個体はだめ、しかるべき研究機関の個体ならよし?
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:そーるわん 投稿日:2002/11/09(Sat) 15:15
おおっ、盛り上がってますね^^。
わたくしもヒートアップしてまいりました。

こないだ会社帰りに会社 の事務のコたちとお茶をしたのですが、そのとき「ゲンゴロウも冬眠するの?」と聞かれまして、そこから口にエンジンがかかり、で、今ゲンゴロウ仲間のあいだで放流 に関して熱い意見がかわされてるんだということも話しました。

両方の意見を簡単にまとめ、感想を聞いたらみんな、それじゃなにもできなくなっちゃうじゃ ん、と言っていました。アリ一匹踏めないわ、と。
僕自身が[放流絶対反対派]ではないので、この質問はフェアじゃないし、反応に意味もないと思います。それは どうでもいいんです。ただ、少なくとも僕のまわりでは[自然環境保護]ということに対する認識はこの程度のものです。

はじめに断っておきたいのですが、[自 然環境保護]という考えはまだ発展途上で、人類史の中でもまだ始まったばかりですよね?もちろんこれからどんどんひろまっていかなくてはならないものだし、人間が これからも地球と共存していくのなら、尽きてはならない火種だと思います。

ただ、僕としては今の[自然環境保護]の考えの中にどうしても、ある種の過激さ を感じてしまいます。
人間不在なんです。その環境に人間がきちんとはいっているとは思えません。自然の一部である人間が自然に干渉するのは自然です。それが 自然破壊と呼ばれる行為であれ、自然保護と呼ばれる行為であれ。

ある沼のゲンゴロウの遺伝子が、ひとの放流やなんやかやでちょこっと変わったら、それは 他に拡散しないように囲いをしておくべきですか?

全部が全部自然破壊してたらひとは滅ぶでしょう。全部が全部自然保護しててもひとは住めないでしょう。

「別のものを食べればいい」とか「国際的ではない」とか言う、クジラや犬を食べる文化に対する一部の動物愛護的警鐘に似ているように僕には感じます。
それは主義のおしつけです。

人間の営みは無限です。その考えがひろまっていく過程で、黒に白が混ざって灰色になるように、ちょうどいいところで落ち着け ばいいな、などと思っています。

ここで最後に僕の友達の意見を(このひとも過激です、ある意味)

人間に生息環境を奪われ減っていく種は必然。滅ぶ も必然。でも滅んでばっかじゃしょうがないから守ることもあるんだろうが、(虫は守らない(T T))、それは人間のたしなみ。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:UE 投稿日:2002/11/09(Sat) 17:43
>人間不在なんです。

私が思うに自然とは文明に対しての自然であり、自然の中に裸の人間は包含できても文明ごと人間を包含する事は意味をな さないと思います。

新生代後期に絶滅したほ乳類には原人のオーバーキルが原因だったものが多く含まれているそうです。
直立してこん棒を手にとった頃 から人類の環境破壊は始まっています。
そこまで遡って自然と人間の融合をはかることは不可能です。
だから二次的自然、稲作を主とした農村環境の保護で手 をうつ(灰色)というわけにはいきませんか?

自然環境の保護は究極は人類の生命の保護につながり、人間不在ではないと思います。
必然と黙認し破壊を 続けることは人類の早期滅亡を促すことになります。

20xx年人類滅亡。これで自然は守られた。では淋しいです...
[1984へのレス] すごいことになっていますねえ 投稿者:まつまつ 投稿日:2002/11/09(Sat) 20:37
だんだん私が入れる隙間が....
 ビオトープについて間違ったことを言ってました、すみません。 UEさんの話し、なんだか近未来のSFによく出てくるテーマですね。"地球にとって最も最悪なのは人類である"と未来の地球を憂えた科学者の作った人工知能がはじき出 す結論。
 なんだか、フィクションではすまないきな臭さを感じます。
UEさん、人間には採りすぎないとか、壊しすぎないなんてブレーキを求めることは出来 ないのでしょうか?所詮は人間はダーウィニズムに縛られて生きて行くしかないのですか?
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:しま 投稿日:2002/11/11(Mon) 12:30
長文失礼します。

●UEさん
>飼育個体の放流を否定して野生復帰とは、放流したけりゃ絶滅するまで待てと言う事?絶滅種 のみに適用?
>素人の飼育個体はだめ、しかるべき研究機関の個体ならよし?
あずまさんも書いていますが、こうなる前に生息環境の保全を講じましょう。と いうことです。
研究機関でなくても、飼育個体を用いた保護活動をやっている保全団体もあります。これらの団体は、学識経験者の協力の下、一般市民が飼育・保 全活動をしています。
では、実際に飼育繁殖を利用して野生復帰を目指す方法をまとめてみます。以前の保全生物学の教科書を見ながら書きますので、最新の知見 では変更部分もあるかもしれませんが。

1.遺伝的多様性を考慮しながらの飼育管理
近親交配の指標として近交係数が用いられていますが、飼育集団の個 体がランダムに交配すると近交係数の世代あたり増加分は1/(2×有効集団サイズ)となることが知られており、個体数50(♂25、♀25)であれば、近交係数の増加 分(=遺伝的多様性の減少)は世代あたり1%となり、系統維持が可能となります(世代あたり2~3%程度の遺伝的多様性の減少であれば、維持可能であるということが 知られている。)。

さらに、遺伝子の突然変異を考慮した場合、ショウジョウバエの剛毛数から推定した突然変異率をもとに、遺伝的変異を平衡状態で維持す るには、500個体必要ということが明らかになっています。
このように、ある程度の個体数を長期間にわたり維持できる施設が必要となります。
あとは、精子の 凍結保存などの技術と人工授精などの技術を組み合わせるとか、野生個体との人工交配を行うことで、少ない飼育個体数でも遺伝的多様性の減少を低く抑えることは可 能となります。
これらの事を踏まえて、創設集団の個体数(最初の有効集団サイズ)、飼育施設の収容可能数(数世代後の有効集団サイズ)、飼育集団を維持する 期間、遺伝的多様性の減少量について、目標を検討していく必要があります。

また、野生個体が十分残されている場合には、野生個体のジーンバンクとしての 位置づけで飼育繁殖を行っている例もあります。飼育個体をメタ個体群(各生息地間で個体が行き来しながら、相互に関係し合っている局所個体群の集合体)として管 理することで、遺伝的多様性の減少を防げます。

2.生息環境の保全
これまでも飼育繁殖計画をで始め、その種の保存が約束されたということで生息環境 の保全がおろそかにされてしまった例もあります。生息環境が悪化したために絶滅の危機にさらされるわけですから、戻すべき場所の保全がなされなければなりません。

3.野生復帰
放す場所は、本来の生息地が望ましい。やむを得ず他地域に放す場合には、他種への影響を十分に検討しておく必要があります。
本来の 生息地は、その種が絶滅の危機にさらされた場所であるため、減少要因を取り除き、将来に渡って効果的に保全される保障がなければ放すべきではありません。近隣住民 の保全への理解も必要でしょう。
また、その場所が放す種の集団を存続させることができるだけの環境収容力が必要です。
実際に放す時には、寿命や繁殖率、 捕食圧、ニッチェ、環境収容力等を考慮しながら、放流数を検討していきます。

4.その後の管理
放した個体の死亡率、死亡原因、行動範囲、繁殖状況な どの追跡調査が必要です。これらの調査を怠ると、放した地域が、その種の保全に適しているかどうかの判定ができません。放流した先から、どんどん個体が死亡してい たとしたら、放流は全く無意味です。そのためにも追跡調査は必須です。

かつて、放流が美徳とされた時代もありましたが、現在ではかえって悪影響を及ぼす 場合があるといわれるようになりました。以上のことは、一般市民が個人で行えることではないと思います。しかし、一般市民だって、保護団体に所属したり、学識経験 者の協力で飼育による自然保護を行うことは可能です。
ですから、飼育で得られた知見を保護活動に活かすならば、自分に合った保護団体を探して入会したり、学 会等で成果を公表することで生息地の保全をアピールすることが重要だと思います。

● そーるわんさん、UEさん
>全部が全部自然破壊してたらひとは滅ぶ でしょう。全部が全部自然保護しててもひとは住めないでしょう。
前半は合っていますが、後半は違います。そもそも、日本の自然には、ほとんど人の手が入って います。人為的な影響を受けていない原生林はわずかです。で、それらは、既に法律で保護されています。
ここで、話題になっているのは里山などの二次的自然で す。二次的自然はひとがいなくなったら崩壊します。
今は、農林水産業の変化により、薪炭林は放置されて植生が変化、二次的自然に依存してきた生物が絶滅の危 機にさらされています。まさに人間不在のために、崩壊してきています。
かつて、河川の氾濫湿地は、洪水が起きることにより植生がリセットされ、生物は生息に 適した湿地を移動しながら生活していました。やがて、大陸から稲作が入り、氾濫湿地は水田に変化、河川は堤防ができ洪水が起こりにくくなりました。洪水が起きな くなりましたが、水田を耕すことで植生がリセットされるようになり、氾濫湿地で生息していた生物は、水田に適応していきました。人の営みが、これらの生物を生か してきたんです。

現在は、経済活動の拡大や生活水準の向上により、無駄が多くなってきています。その結果、自然生態系の浄化能力を上回る環境負荷をかけ てしまっています。無駄を取り除き、環境負荷を抑えて持続可能な社会、循環型社会の構築を目指していこうという動きになっています。自然保護の考え方も一緒で、 不必要な開発は避けていこうということで、決して将来の生活に不自由するような活動ではないです。例えば、某団体がスキー場建設に対して反対した時は、「このエ リアはオオタカの行動区域になるので、ここを外した計画にして欲しい。」という提案をしているわけです。何が何でも建設反対というわけではありません。


>人間に生息環境を奪われ減っていく種は必然。滅ぶも必然。でも滅んでばっかじゃしょうがないから守ることもあるんだろうが、(虫は守らない(T T))、それは人 間のたしなみ。
>私が思うに自然とは文明に対しての自然であり、自然の中に裸の人間は包含できても文明ごと人間を包含する事は意味をなさないと思います。
>自然環境の保護は究極は人類の生命の保護につながり、人間不在ではないと思います。
必然と黙認し破壊を続けることは人類の早期滅亡を促すことになりま す。
以上のこと、まさしくその通りと思います。二次的自然とは、かつて人と自然とが共存してきた名残です。


● まつまつさん
>ビオトープに ついて間違ったことを言ってました、すみません。UEさんの話し、なんだか近未来のSFによ
箱を作って、トンボや鳥など、翌年、翌々年に利用してくれる生物が少 しでもいるなら、立派なビオトープになりますよ。
是非とも頑張って下さい。成果を楽しみにしています。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:あずま 投稿日:2002/11/11(Mon) 17:39 <HOME>
田島さん、お疲れ様、これだけ書くのは大 変だったでしょう。(^^)

でも、皆良くわかったと思います。私もなぜ、学者が個人の飼育では、無理だと言ったのかその意味が理解できました。これだけの個 体を長年にわたって維持していくのは、それなりの施設、人手、予算がかかりますね。しかも、科学的にモニタリングしながらの作業なので、専門家の指導が必要です。 たかが、100個体程度の私の飼育では、趣味と言われても仕方ありません。でも、私は、全然違った方向からアプローチしていく予定です。その一例として、来年春頃、 シャープゲンゴロウモドキの新規飼育方法として、アメリカの雑誌に掲載されることがほぼ決まりそうです。この手法は、水族館レベルで実践すると、省スペースで大量 の水生昆虫の幼虫を簡便に飼育可能となります(非公開BBSでは既に発表済み)。飼育個体で種を増やそうとしている自然保護団体や研究機関においては、画期的な飼育 方法となると期待しています(既にある昆虫館からもその仕組みについての問い合わせもあります)。現在、しまさんをはじめ、何人かの方にご協力を頂き、こんな方向 から個人レベルで保護活動(と呼べるか疑問ですが)の一環として、参戦しています。将来的には研究会的なものが出来れば良いのですが、まだまだそんなレベルではな いです。趣味の一環です。(^^;

>飼育で得られた知見を保護活動に活かすならば、自分に合った保護団
>体を探して入会したり、学会等で成果を公表する
>ことで生息地の保全をアピールすることが重要だと思います。

これは重要なことだと実感しています。前述の昆虫館からの問い合わせの件もそうですが、 対外的にアピールすることによって、自分の存在(やっていること)を世間に知らしめれば、しめたものです。興味を持った連中が集まってくるし、学識者や専門家も黙 ってはいないはずです。
そう言えば、生物(細胞)の遊泳を流体力学的、運動力学的に研究している会があります(会員は生物系の大学の教官です)。今度、会の紹 介として、どこかで発表するしく、その題材として、ゲンゴロウの遊泳パターン(動画)を貸して欲しいと依頼されています。これも一例ですが、少しずつ、専門家から の依頼も増えてきつつあります。そういう連中を巻き込むと、意外とことが早く進むかもしれません。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:プニ 投稿日:2002/11/11(Mon) 22:06
しまさん、ありがとうございます。
本当に、勉強になります。
>生息地の保全をアピールすることが重要だと思います
>対外的にアピールす ることによって、自分の存在(やっていること)を世間に知らしめれば、しめたものです。興味を持った連中が集まってくるし、学識者や専門家も黙ってはいないはず です。
そうですよ!一番の課題って結局ここに行き着くんじゃないですか?誰もが、環境保全に少しは興味を持っているとおもうのです。
地元の川に鮎や鮭を 戻そう!とか近くに蛍の舞う環境にしよう!程度ではなく、ここで皆さんに教えていただいた事をもっともっとアピールしていかないと!ですよね。
>氾濫湿地で 生息していた生物は、水田に適応していきました。
これって、ある意味(未必的ではありますが)人為淘汰がなされた、って事になるのでしょうか?もっとも、数十 年~数百年という短いスパンで進化(或いは退化)、若しくは変種が生まれて定着したとか・・・
もし、そうであるのなら、今ある種は厳密に言えば完全オリジナ ル種ではなく、遺伝子変異体とも言えるのではないでしょうか?
すみません、上記は私の完全な思い込みで書き込みました、一笑してもらって構いません。 m(_ _)m
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:そーるわん 投稿日:2002/11/12(Tue) 00:02
しまさん、ありがたく読ませてもらいました。いつも丁寧に説明してくれるので本当に感謝しています。

まだちょっと1.は難し くてよく分かりませんが、他は分かった気がします。よかれと思って放流しても、それは自然にとってちっともいいことではないんですね。本当にきちんと放流するな ら、しかるべき手段を踏まないとダメですね。

でもどうして遺伝子的に人為的な干渉はダメなのですか?初歩的なことでしょうけど・・・。

>自分の 知らない間に、「○○池特産のゲンゴロウ」が得体の知れないゲンゴロウに変わってしまっていたら、怖いでしょ。
僕はその怖さがまだうまく想像できません。ど うしてだろう、みなさんは理解していらっしゃられるのでしょうか。

>氾濫湿地で生息していた生物は、水田に適応していきました。
>これって、ある意 味(未必的ではありますが)人為淘汰がなされた、って事になるのでしょうか?
僕もそう思うし、人間に影響を受けていない自然はほとんどないと思います。原生林 くらいですよね?で、原生林にホタルを放すようなひともいないと思います。ひとの住んでいるところでのその影響力はこれからも続くだろうし、生物も適応し続ける と思います。遺伝子はとっくに完全オリジナルじゃなくなっていると思います。
程度の問題でしょうか。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:UE 投稿日:2002/11/12(Tue) 00:55
う~ん、とても勉強になります。
しっかり保存しました。
飼育個体の野生復帰はえらいことですね。
ゲンゴロウくらいなら小金持の好きも の集団でやれそうな気もするけど、大型ほ乳類ともなると、国家的プロジェクトですね。

人為淘汰、非オリジナル云々ですが、個々の遺伝子は不変ではないと 私も思います。
紫外線照射で変異するなら、高緯度、高高度地方の生物は放射線、電磁波等も浴びていると思います。
そこでは突然変異が頻発しているのかな ?
飼育で変異するなら、落雷、地震、噴火等飼育より変異しそうな自然現象もあります。
個々の遺伝子は刻々変異していても、集団では安定している、だから 集団を保護する事がより大切である。
こんな解釈でいいのかな?

飼育個体の放流が悪とされるなら、ただのブリードはやめて異種交配とか、大型化、小型 化でもして遊ぼうかと思ってましたが、まだ道は閉ざされたわけではないようなので、少しづつ蓄積していこうと思います。猪..いやここではあずまさん..でもはね返 されるのに2年や3年のデータでは話にならないでしょうし、まとめる時間もありません。ここしばらくはデータの蓄積に励むことにします。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:しま 投稿日:2002/11/13(Wed) 19:18
>地元の川に鮎や鮭を戻そう!とか近くに蛍の舞う環境にしよう!程度ではなく、ここで

いえ、地元の自然を守ろうという運動 は、生息環境の保全に直接アプローチするわけですから、正しい認識のもとで保全活動を行っているならば、何よりも優先すべきと思います。
地元保護団体が各地 で頑張れば、やがてビオトープネットワークとなり、生物の回廊となり得るかもしれません。


>>氾濫湿地で生息していた生物は、水田に適応していきま した。
>これって、ある意味(未必的ではありますが)人為淘汰がなされた、って事になるので

例えば、農業が行われる前、田植えの季節に繁殖期に当たる 生物がいたとしたら、水田では生き残ることが出来ずに絶滅してしまったかもしれませんね。
生物も、その時その時の状況に合わせて環境適応するべく進化し、生 息地を広げてきたりしたわけです。遺伝子レベルで解析を行うと、進化の様子や移動の歴史を紐解くことが出来ます。


>でもどうして遺伝子的に人為的な 干渉はダメなのですか?初歩的なことでしょうけど・・・。

細菌とか植物の種子が人にくっついて生息範囲を広げていくことはあるでしょうが、それ以外に人 が暮らしていく中で放流を行わなくてはならない理由がありますか?
結局、今の遺伝子汚染や外来種の問題は、人の営み、文化とは関係なく、安易に(当時は予測 出来なかったんでしょうが)放流したことで起こっているものです。
例えば、環境に適応していく中で、棲み分けすることで生き延びてきた生物がいたとして、そ れらを人為的に一緒にする理由はないでしょう。
大した理由もなく、適応しながら生き延びてきた生物の歴史を否定する様なことをする必要はないでしょう。

かつて、放流が美徳とされていた時代があったことで、必要のない放流が行われたわけです。そんな時代があったからこそ、飼いきれなくなったペットを逃がして あげて、ペットにかわいそうなことをしながらも、良いことをしたと勘違いする人も多いんでしょうね。


>>自分の知らない間に、「○○池特産のゲンゴ ロウ」が得体の知れないゲンゴロウに変わってしまっていたら、怖いでしょ。
>僕はその怖さがまだうまく想像できません。どうしてだろう、みなさんは理解して いらっしゃられるのでしょうか。

アズマゲンゴロウモドキがいると思っていた所に、気づいた時にはアズマとコゲンモの雑種という本来ならこの世に存在する ことのない生物になっていたとしても何とも思わない?
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:あずま 投稿日:2002/11/14(Thu) 12:04 <HOME>
>それ以外に人が暮らしていく中で放流を 行わなくては
>ならない理由がありますか?
>結局、今の遺伝子汚染や外来種の問題は、人の営み、文化とは関係な
>く、安易に(当時は予測出>来なかった んでしょうが)放流したことで
>起こっているものです。

同感です。そもそも、皆さんは放流して、自然保護に貢献したいがために虫を飼っている訳ではな いと思います。バサーのように、近場に釣り場を作るため、あえて放流している例もあるようですが、これは論外として、しまさんのおっしゃる通り、「大きくなり過ぎ た、数が増えた」と言う飼育者の勝手な理由のため、手放さざるを得ない状況に至ったから、放流と言う美徳に便乗して、放虫し、それを正当化したに過ぎないと想像 しています。本当に自然を愛し、生き物を愛しているのなら、自分で繁殖した個体は最後まで面倒を見るのが、良識あるブリーダーではないですか。放流による遺伝子 攪乱だの、多様性損失等、の難しいことを議論する以前の問題のような気もします。単純に好きだから飼育している、楽しいから殖やしている、ですよね。それが、 「飽きたから」、「増えすぎて困ったから」、「外国産でないから」放流した、と一変するのは、なんか違うような気がします。

タガメが良い例ですが、初め は貴重で高価なため、皆さん欲しがりますね。でも、繁殖が容易な上、エサ代等の飼育費は、莫大のものとなるのは、経験者ならご承知かと思います。自分は、以前、 タガメだけで月10万円のエサ代を捻出したことがあります。最盛期には、数百頭の幼虫を抱えることになりましたが、せっかく繁殖させた個体と言う気持ちもあり、家 族の了解を得て、成虫になるまでの期間(2ヶ月間)、せっせと週2万円分のエサを与えました。でも、翌年から、繁殖数をぐっと減らしました。(^^;
放流するくら いなら、初めから繁殖させなかったです。個人的な問題ですが、ここで、飼い切れないから放流とかしてしまうと、ブリーダーとしてのプライドに影響する(?)と思 いました。放流するくらいなら、ブリーダーをとっくに止めてます。増えすぎて放流するくらいなら、最初から採集もせず、飼育(繁殖)はしないで欲しいと思います。 放流を前提とした飼育であるのならば、ビオトープや地域の自然保護活動に参加したり、学会等でその成果をきちんと報告し、学者や自然保護の専門家等としかるべき議 論をした上で行うべきと思っています。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:そーるわん 投稿日:2002/11/14(Thu) 12:52
しまさん、あずまさんいつもありがとうございます。もう少しおつきあいください。

>それ以外に人が暮らしていく中で放流を行 わなくてはならない理由がありますか?
ありません。もっともです。
僕が知りたいのは、増えすぎたカミツキガメを放したらどうしてだめなのか?ということで はなくて、ゲンゴロウをゲンゴロウのいるところに放したらどうしてだめなのか、ということです。

放流で本来の生息環境に遺伝子学的にでも見た目的にでも 影響がでてしまうなら、採集だって同じではないのでしょうか?うむむ・・・。

>自分で繁殖した個体は最後まで面倒を見るのが、良識あるブリーダーではな いですか。
その方がいいのだったらそうします、もちろん。僕だって、あいつは良識のないダメなブリーダーだと言われたくなんてありません。ただ、分からないだ けです。本当にそれがだめなことなのか。だからこんなにしつこく(笑)聞いてしまっているんですけれども。

ちょっと前までは、少なくとも採った個体分は繁 殖させて、元に返そうと思っていました。それが一番自然に負担をかけないやり方だと思っていたんです。

とにかく放流しようとしている子供を見たときに、 笑っている大人と怒っている大人がいるのは問題ですね。他のみなさんはどうなんでしょう。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:あずま 投稿日:2002/11/14(Thu) 17:07 <HOME>
>僕が知りたいのは、増えすぎたカミツキガメを放したらどうしてだめ
>なのか?ということではなくて、ゲンゴロウをゲンゴロウのいるとこ
>ろに放したらどうしてだめなのか、ということです。

前述の通り、生息地ではゲンゴロウばかりでなく、色々の生き物がバランスよく秩序を保って生態系を形成しています。その場所(池)に最適な生息数がおのずと決められております。それが多かったり、少なかったりでは、生態系が成り立ちません。ところが、個人の趣味程度の採集で種を滅ぼすことは不可能ですが、業者的な乱獲をした場合、色々な面で打撃を受けると予想できるのはお分かり頂けると思います。ですが、ゲンゴロウのいる池にゲンゴロウを放流した場合、これまで議論してきた遺伝的な問題が生じるのは前述の通りです。それ以外にも、数が均等に保って生態系が成り立っている環境に、いきなり余剰な個体が進入してきたら、食物連鎖の均衡が崩れてしまいます。

数年前、私が体験したのですが、ある夏のこと、千葉のある小さな池で大量のタガメを見つけました。通常、数ペアほど生息しているのが自然な池でしたが、30頭ものタガメがいたのです(きちんと探せばもっといたかも)。明らかに放流による個体であることはわかりました。この池は、クロメダカの豊富な池でした。ところが、心ない方の放流によって、その年の夏だけで、クロメダかはその池から絶滅してしまいました。タガメも産卵したものの(卵塊はみつけました)、乏しいエサ環境ゆえ、タガメまでもいなくなりました。今年、その場所を見に行きましたが、元来いたクロメダカの姿はすっかりなくなっていました。もちろんタガメもです。結局、タガメの過剰放流によって、生態系が崩れ、最初からいたタガメとクロメダカの2種がこの池(地域)から絶滅したことになります(タガメの放流だけが要因ではないかもしれませんが)。

ゲンゴロウのいる場所に放流したいのであれば、その池の全個体数を推定し、年間の移入率、死亡率などの、生態学的の基礎データを押さえた上で行い、もちろん逃がした個体にもマーキングし、その後の様子を定期的にチェックする必要があります。容器が一杯のところに余剰個体を放しても、良いことがありますか?
ゲンゴロウのエサのとなっている小動物やゲンゴロウ自身にもしっぺ返しがきます。捕った分逃がしてあげると言う気持ちはわかりますし、遺伝的なことは抜きにした場合、数頭の放流で影響があるとは思えません。でも、自然にとっても良いことでは無いかもしれません。放流するのであれば、良いと言うことをきちんと立証してからにして欲しいです。単なる気持ちの問題では、解決できません。捕って逃がすのであれば、最初から捕らない方が、自然にはやさしいのではないですか。(^^)

やはり、放流は遺伝子の問題抜きでは議論できません。そーるわんさんの言う放流は、同一生息地の個体を同じ場所へ放流と言うことと思いますが、世間一般では、ゲンゴロウを自家採集できず、業者から購入している方のほうが多い気がします。現在のほとんどの業者さん、特に買取をしているところでは、北海道産と九州産のゲンゴロウをごっちゃにして、「ゲンゴロウ」として販売しています。タガメも同様です。いわゆる、産地なき種類です。私はゲンゴロウを購入したことが無かったのですが、おととし、都内で「山梨県産ゲンゴロウ」と産地が明記されていたので、初めて購入してしまいました。(^^)
値段も安く、300円でした。業者によっては、産地別にして、付加価値をあげ、価格を変えている場合もありますが、産地付きは良心的と思います。そーるわんさんが、ゲンゴロウのいる場所ならゲンゴロウを逃がしても良いことを推奨すると、購入したゲンゴロウを所持している方も、そういう気を起こしかねません。以前、どこかで話題になったはずですが、九州と北海道のゲンゴロウの子孫を栃木に放流した場合、どういうことが起こり得るか。怖いことです。そーるわんさん所有の南西諸島産コガタノと私の本土産コガタノを一緒に飼育することが出来ますか?
うちでは4℃の水温で元気です。(^^)
同種であっても、住んでいる環境(温度、緯度など)によって、生理学的な特徴が変わることがCampbellら(1974)によって報告さており、同種でも、生息環境の異なれば、生活史のイベントも異なります。要するに、形は同じでも、中身は全く異なります(つまり遺伝子が異なると言うこと)。しまさんが前述したアズマとコゲンモ、今回のコガタノのことは、わかり易い例ですが、オオゲンやタガメは違うと思いますか?
人間もそうですが、外見だけではわからないものです。わかりやすい方もいますが。(^^)

>放流で本来の生息環境に遺伝子学的にでも見た目的にでも影響がでて
>しまうなら、採集だって同じで
>はないのでしょうか?うむむ・・・。

多少の増減では、それほど影響は出ません。怖いのは、環境遺伝子が大幅に異なった個体が混ざることです。

>とにかく放流しようとしている子供を見たときに、笑っている大人と
>怒っている大人がいるのは問題
>ですね。他のみなさんはどうなんでしょう。

大人が理解していないから問題です。以前、タガメを欲しいと言うので郵送したら、直ぐ送り返してきました。何でも奥さんが、金魚を食べる行動は、子供の情操教育上、良くないと言う理由だからです。
「だったらあんたらは、肉は食べませんか、野菜は食べないのですか?」と言い返しました。タガメにとっては、それが普通の行動で、自然の摂理や弱肉強食を家庭で見る絶好の材料ではないかと思うので
すが。そのような考え方を持った親の子供も、自然に対して鈍感になるのかなと、なんだか悲しい気分になりました。うちのように、近所の家へ行って、かわいい金魚を見てエサ金と叫んだり、おやつに頂いたゼリーをクワガタのエサ、と言ううちも子供らも問題ありかもしれませんが。(^^;
かわいそうなのは、真夏に長距離宅配便で往復し、死に絶えたタガメでした。このBBSをまじめに見て、感じ取ってくれている方は、救われると確信しております。なぜなら、それだけ自然に対して、前向きに議論できる(考えている)からです。(^^)
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:プニ 投稿日:2002/11/14(Thu) 18:03
基本的な質問ですが、宜しいでしょうか?
飼育個体に遺伝子変異が見られるとしたら、例えば南西諸島産コガタノを関東地方で飼育し ていて、加熱等をしないで累代に成功したとします、かなりの累代を重ねていくと南西諸島産としての特性は残っているものでしょうか?

>同種でも、生息環 境の異なれば、生活史のイベントも異なります。
日照の変移や、それに伴う体内時計も変わってくるって事ですよね?・・・う~~~ん、生息地になるべく近い環 境で飼育するのが理想だって事は勿論わかっていたのですが、ずぼらな私はかなり虫達に過酷な環境で飼育していたように思います。
私は水生昆虫の飼育を始めて まだ2年目なのですが、タガメを除いては大量繁殖に成功していません。
最初は、タガメやゲンゴロウは憧れ(30数年来の夢でした)の昆虫でしたので、兎に角 飼育してみたいと始めたのですが、今年の繁殖失敗でもっと真摯な姿勢で臨まないといけない!と思っていたのですが、このスレでそんな単純な問題ではない、もっと もっと褌を締めてかからないといけないですね。
環境の変化(去年までため池だった所が更地になっていたり)や、環境汚染なんかには危機感を持っていたつもり でしたが、遺伝子レベルの汚染(汚染と言って差し支えないですよね?)にはハッキリ言ってまったく無頓着でした、更に勉強しないとですね!m(_ _)m
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:あずま 投稿日:2002/11/14(Thu) 22:25
>飼育個体に遺伝子変異が見られるとしたら、例えば南西諸島産コ
>ガタノを関東地方で飼育していて、加熱等をしないで累代に成功
>したとします、かなりの累代を重ねていくと南西諸島産としての
>特性は残っているものでしょうか?

温度に関与している遺伝子だけに着目した場 合、関連する遺伝子がどの程度の変異速度を持っているかにもよりますが(ターンオーバーの問題)、温度感受性を失った個体をそのまま固定すると、南西諸島産とは 異なった遺伝子群を持つ個体ができると容易に予想できます。想像をたくましくすると、低温耐性の遺伝子群が強くなった個体は、南西諸島に放流しても、もはや生息 できないか、元からいる純血種とハイブリッドを作り、南西諸島産コガタノばかりでなく、同所に生息している他個体にも多大な影響を及ぼすことが懸念されます。こ れは、自然下でも、突然変異体が生じても、生息には不利なため、ほとんが淘汰されることから想像ができると思います。また、コガタノも南西諸島全体に生息してい るわけでなく、環境に適した場所にいます。低温耐性を有したコガタノと本来いる高温耐性コガタノ(ハイブリッド)が進出すると、南西諸島でも、本来コガタノが生 息していない場所にまで異常拡大し、コガタノの餌であるヤゴなどの他の個体群の減少(増加)にも拍車がかかる事がないとも限りません。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:UE 投稿日:2002/11/15(Fri) 01:17
あずまさん、しまさんすごく解りやすく説明してくれてますが、
保護がどんどん遠い所へ行ってしまったように思えます。
放流するには立証して 追跡調査もしなければならないというのは
医療ミスがあった事をしろうとの患者側が立証しなければならないのと同レベルに思えます。
そんな高い保護意識を 持つ者でなければ採集も飼育もするなと怒られてるみたいです。
保護活動とはなんでしょうね?
そんな意識を持つべくもない子供達には『何もするな』と教え ることですか?
趣味の採集、飼育はとっても悪い事なのですね。
でも、やめない....
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:しま 投稿日:2002/11/15(Fri) 11:23
●そーるわんさん
>僕が知りたいのは、増えすぎたカミツキガメを放したらどうしてだめなのか?ということではなくて、ゲンゴロウ をゲンゴロウのいるところに放したらどうしてだめなのか、ということです。

なるほど、見た目も名前も同じなのに、どうして駄目なのか?ということね。
同種でも地域によって性質が異なることは分かったと思います。
あと、例えば同地域に2つの池(A池とB池)があったとして、両方の池に住むゲンゴロウが AとBで交流が途絶えていると、それぞれの池で独自に適応してきた訳だから、性質が異なる可能性があるわけです。
ですから、近くであっても生息域が異なって いれば、性質も異なる可能性があると考えておくのが無難です。

生き物には種・亜種といった名前が付けて区別しています。また、別種とまではいかない時に は地域変異ということで区別しています。しかし、これらの区別は人間が勝手に付けたもので、科学的に検証されたわけではないです。だから、今後も新たな知見が見 つかれば種の名前は変わっていくでしょう。別種だったのが同種(地域変異)になったり、地域変異だったのが、別種になったりするかもね。名前はいい加減なもんで す。
アズマとコゲンモの様に名前で区別されているものと、地域が異なるゲンゴロウ。同じことなんですよ。

>とにかく放流しようとしている子供を見た ときに、笑っている大人と怒っている大人がいるのは問題ですね。

最近では、新聞でも放流に対する有識者の批判コメントが載るようになってきています。マ スコミがこういう問題を取り上げていってくれれば、少しずつは変わっていくかもしれないですね。


●あずまさん
>数年前、私が体験したのですが、 ある夏のこと、千葉のある小さな池で大量のタガメを見つけました。通常、数ペアほど生息しているのが自然な池でしたが、30頭ものタガメがいたのです(きちんと探 せばもっといたかも)。明らかに放流による個体であることはわかりました。この池は、クロメダカの豊富な池でした。ところが、心ない方の放流によ

さて、 果たして数ペアの個体から30頭ほどに増えたからといって、放流だと断言できますか?自然下の厳しい淘汰をくぐり抜けたとはいえ、その程度の増加なら年度の状況に よっては、考えられる範疇ではないですか?
産卵数をはるかに越える個体数が見つかったのなら、間違いなく放流でしょうけど。

また、水系生態系の上位 に位置するタガメが、数ペアといえども生息していたならば、そこの生物多様性や環境収容力は大きいと想像出来ます。タガメ数ペアが30頭になった程度で生態系が壊 滅するような池とはとても思えません。他の要因は考えられませんか?


>を購入したことが無かったのですが、おととし、都内で「山梨県産ゲンゴロウ」 と産地が明記されていたので、初めて購入してしまいました。(^^)
値段も安く、300円でした。業者によっては、産地別にして、付加価値をあげ、価格を変えている 場合もありますが、産地付きは良心的と思います。

遺伝子レベルでの地域特性を尊重するならば、業者の産地ラベル個体は全く意味がありません。行政区域は 人間が勝手に線を引いただけですから、同一行政区域内の個体は遺伝子レベルでも同一かどうかはわかりません。同じ都道府県・市町村でもピンポイントで採集地が異 なれば、遺伝子も異なる可能性があります。特に局所的にしか生息していない種であれば、個体群ごとに性質も異なる可能性がより高くなるでしょう。
あとは、業 者のラベルがどこまで信用出来るのか?という問題もあります。
そう考えれば、業者からの購入個体では、遺伝子特性や放流の是非を論じるまでもないことがお分 かり頂けると思います。


●UEさん
>そんな高い保護意識を持つ者でなければ採集も飼育もするなと怒られてるみたいです。
保護活動とはなんで しょうね?
そんな意識を持つべくもない子供達には『何もするな』と教えることですか?
趣味の採集、飼育はとっても悪い事なのですね。

安易な放 流は危険だよ。というだけであって、趣味の範疇で採集や飼育を楽しむ分には何の問題も無いと思いますが。何も採集や飼育趣味を社会貢献まで高めなければならない 理由はないですし。ただ、楽しめればいいではないですか。

もし、採集や飼育を楽しんでいるうちに、自然保護にも興味を持ったとしたら、対象が飼育個体愛 護から生息地や生態系の保全について取り組みたいという方向に広がると思うので、保護団体等に参加してみてはどうですか。ということなんですけどね。
そうす れば、趣味をきっかけに社会貢献まで高めることができるでしょう。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:そーるわん 投稿日:2002/11/15(Fri) 13:04
時間がないので雑かも…。

>ですから、近くであっても生息域が異なっていれば、性質も異なる可能性があ ると考えておくのが無難です。
アズマとコゲンモの例は極端な気がするので言いづらいのですが、性質が異なっていても交尾するのならななんの問題があるのだろ う、と考えてしまいます。
>そーるわんさん所有の南西諸島産コガタノと私の本土産コガタノを一緒に飼育することが出来ますか?
ごめんなさい、僕はできる んです。僕には同じコガタノなんです。遺伝子的な違いによる危機感が僕にはまだありません。

たとえばあるゲンゴロウの環境による遺伝子特性が、ある地域 で失われているとします。それで学術的価値がなく、場合によっては科学的証明の元にそれがもはやそのゲンゴロウではないとされても、僕にはそれはそのゲンゴロウ なんです。

卵子と精子を取り出して別種とかけあわせたキメラをつくるわけではないし、なんていうか、虫同士でやることだし。

人間の生息圏拡大に あわせて他の生き物も、淘汰や進化を繰り返して適応してきたのなら、放流による影響もそこには含まれるのではないのですか?そんなことで滅びるのなら今までも滅び ているだろうし、これからも滅びつづけるのでは?と思います。

別に有志を募って、強力な全国無差別放流ムーブメントでこの世を雑種天国にしたいわけではあ りません。

>捕った分逃がしてあげると言う気持ちはわかりますし、遺伝的なことは抜きにした場合、数頭の放流で影響があるとは思えません。

そこ につきるのです、今のところ。
なんでだろう、僕はアホなのだろうか…。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:あずま 投稿日:2002/11/15(Fri) 16:39 <HOME>
>果たして数ペアの個体から30頭ほどに増 えたからといって、放流だと
>断言できますか?

断言できます。これは、一連の流れの例として出したまでです。説明不足でしたが、この場所はもともとタ ガメが生息していない場所です。別の希少生物の産地として有名な場所で、全国から採集者が訪れているのにも関わらず、タガメの報告は皆無でした。ある年、タガメ生 息の情報が入りました。知り合いが最初の年は数頭、採集したそうです。ここの環境は、タガメが生息できる環境ではなく、毎年、誰かの放流によって、成虫時代だけ 過ごしたと推測しています。産卵はしているのですが、豊富なエサが無いので、幼虫期に死に絶えるようで新成虫は確認できません。唯一、クロメダカは多産しておりま した。ある年、30頭近くものタガメが放流されており(明らかなブリード個体)、びっくりしました。数年前、インセクトフェアで千葉県産タガメが販売されていたよう ですが、この場所の個体です(千葉県ラベルですが、実際はブリード個体です(^^))。タガメがクロメダカを食している根拠はないですが、10年近く健在だったクロメダ カがこの機会を境にいなくなったのと、無関係ではない気がしています。タガメを放流さえしなければ、クロメダかは今も生きていたと思っています。もちろんbiomass の豊富な自然では、採集しようが放流しようが、個体数に直接影響することはほとんどあり得ません。それなりの許容力を有していると思っています。でも、この場所は、 biomassも乏しく、池自体も小さく、また、他へ移動して生息していけるだけの場所が全くありません。さらに、この地域は法律で開拓が禁じられております。人為的な 環境破壊は原因ではないです。タガメの過剰放流しか、要因が無いです。

>そう考えれば、業者からの購入個体では、遺伝子特性や放流の是非を
>論じるま でもないことがお分か
>り頂けると思います。

確かにその通りです。

>アズマとコゲンモの例は極端な気がするので言いづらいのですが、性
>質が異なっていても交尾するのならななんの問題があるのだろう、
>と考えてしまいます。

でも自然下では、千葉県と石川県のように地理的な隔離があり、 人間が持ち込まない限り、交配は起こり得ません。それをあえて、一緒にするなら仕方ありませんが、絶対に放流、逃亡はしないよう、守って欲しいです。

>ごめんなさい、僕はできるんです。僕には同じコガタノなんです。遺
>伝子的な違いによる危機感が僕にはまだありません。

考え方の違いかもしれません ので、それはしょうがないことです。でも、それをあえて、逃がしたりすることは危険であることはわかりますよね。

>人間の生息圏拡大にあわせて他の生き物 も、淘汰や進化を繰り返して
>適応してきたのなら、放流による>影響もそこには含まれるのではない
>のですか?そんなことで滅びるのなら今までも滅びている だろうし
>、これからも滅びつづけるのでは?と思います。

全世界では、現在、1日何千種(何百だったかな?)と言う生き物が絶滅しています。おっしゃ る通り、これからも滅び続けるでしょう。最後は人間かな。
放流による影響は、すぐにはわかりません。ただ、気づいた時は手遅れです。鮭の放流だって、何万匹 の個体にマイクロチップや超音波発信をつけ、何十年にわたった追跡調査の結果から(現在も調査中)、現在に至っています。鮭は99.9%人工受精個体です。その位の意 気込みがあり、結果を出し、世間や学会に認められれば、誰も放流に対して文句は言わないと思いますよ。放流の正当性を証明できなければ、放流すべきではないです。 私の知る限り、放流が正当であることを証明したデータはほとんど無い気がします。
私には、それだけの力量も無いし、保護活動とか放流するとかの目的で飼育し ているのではないから、気楽なもんです。(^^)

>別に有志を募って、強力な全国無差別放流ムーブメントでこの世を
>雑種天国にしたいわけではありませ ん。

昔は自然保護なんていう言葉は無かったですよね。虫も飼い殺しのできる世の中になれば良いのですが。でも、くどいようですが、なんで、放流したくな るのかわからないです。保護活動の一環としてならば、保護団体に所属してやれば良いことでしょうし。単に、飼って楽しい、殖やして嬉しいだけでは物足りませんか?
それ以上のことは、保護団体等を通して実践すると良いと思います。学会でも放流の危険性は言われていることでもありますので、そういう場で議論し、考えを整 理すると良いかもしれません。

最後に、個人で保護しようとするのは無理な話です。少なくとも私には手も足も出ないことが、実際に保護活動を実践されてい る方の意見や、行政に直訴した方からお話を伺い実感しました。私は1ブリーダーとして、水槽内の生き物を楽しみ、時々フィールドに出て、自然を堪能したいです。 (^^)
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:あずま 投稿日:2002/11/15(Fri) 18:35 <HOME>
市民にできる自然保護
(http://www.wwf.or.jp/lib/lecture/zenkoku/KyotoW.pdf)

と言うページがあるので、こういった活動に参加したり、これらに所属している方とコ ンタクトを取ると良いと思います。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:しま 投稿日:2002/11/15(Fri) 19:11
●そーるわんさん

>人間の生息圏拡大にあわせて他の生き物も、淘汰や進化を繰り返して適応してきたのなら、放流による影響も そこには含まれるのではないのですか?

人が二本足歩行になってから放流を行う文化がありましたか?積極的に放流を行ってきた時代がありましたか?
採 って食うことはあっても、増やして逃がしていた時代はないと思います。
放流という必然性のないものと人間の生息圏拡大とを一緒に考えるのはナンセンスです。

人の生息圏拡大にくっついて移入してしまうのと、多くの人が積極的に放流するのでは、淘汰や進化などと悠長なことは言ってられない程の影響差があると思 います。


>そんなことで滅びるのなら今までも滅びているだろうし、これからも滅びつづけるのでは?と思います。

遺伝子汚染で絶滅寸前な種が いるからこそ、問題になっているんですよ。ニホンバラタナゴの例では駄目ですか?


そーるわんさんの書き込みを見て感じたのは、そーるわんさんにとっ てゲンゴロウとはどこまでいっても可愛いペットなんです。
色々な品種を掛け合わせて楽しむグッピーを飼育するような感覚ではないですか?
そのため、交配 個体を逃がすことによる危険性について想像できないのではないでしょうか?
ちょっと前まではオオクワガタも遠く離れた産地同士で掛け合わせると大きな個体が 生まれると言われ、評判を呼んだ時期もありました。これらは、どんな掛け合わせをしようが、グッピーはグッピーだし、オオクワはオオクワです。
飼育して楽し む分には何の問題もありません。きれいなグッピーを好む人もいれば、原種グッピーを好む人もいます。オリジナルを好むか、交配種を好むかは人の好きずきです。

交配個体が逃げ出すと野生種のオリジナリティを失わせるおそれがあるから注意。ということだけ覚えていれば、どんな飼育スタイルでもOKですよ。


●あずまさん
>別の希少生物の産地として有名な場所で、全国から採集者が訪れているのにも関わらず、タガメの報告は皆無でした。ある年、タガメ生息の情 報が入りました。知り合いが最初の年は数頭、採集したそうです。ここの環境は、タガメが生息できる環境ではなく、毎年、誰かの放流によって、成虫時代だけ過ごし たと推測しています。産卵はしているのですが、豊富なエサが無いので、幼虫期に死に絶えるようで新成虫は確認できません。

なるほど。良く分かりました。
あと、絶滅の原因として、植生遷移等による環境改変の可能性は無さそうでしたか?
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:あずま 投稿日:2002/11/15(Fri) 22:48
>あと、絶滅の原因として、植生遷移等による環境改変の可能性は
>無さそうでしたか?

今のところ、全くありません。池のま わりには、トウキョウサンショウオ、モリアオガエル、アカガエル、ヒキガエルなどの繁殖地でもあり、むしろクロメダカよりも先に激減してもよさそうな種ばかりです。 タガメの過剰放流しか原因はないと考えています。

それにしても、グッピーの例は、goodです。でも、品種改良されたグッピーでさえ、温泉街の川で見たこと があります。私、ディスカスもやっていましたが、原種は最高ですね。形、寿命、生態、どれをとっても、改良種とは比較になりません。飼育個体を放流し、原種の良 さを奪うのだけはやめてもらいたいです。やるのだったら、自分の水槽内だけのことにして欲しいです。
[1984へのレス] 素朴な疑問。 投稿者:UE 投稿日:2002/11/16(Sat) 00:00
>同地域に2つの池(A池とB池)があったとして、両方の池に住むゲンゴロウがAとBで交流が途絶えていると、それぞれの池で独自に適応してきた訳だ から、性質が異なる可能性があるわけです。

この2つの池を人為的に緑の回廊で結ぶと遺伝子攪乱にはならないのですか?

緑のネットワークが完成す ると遺伝子無法地帯になるのでは?
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:そーるわん 投稿日:2002/11/16(Sat) 00:03
お昼の書き込み、乱暴でした。ちょっと訂正します。

たしかに遺伝子特性のこととか、なにも知らないので放流についての危機感 はありません。でも無知の横暴さで、どこにでも放流しちゃえ、とは思ってません。

いろんな方々にもらったいろいろなゲンゴロウは、オオゲンとタガメは別 の産地に逃がしてしまいましたが、他は一匹も逃がしていませんよ。ただ、放流がそんなに悪いとはどうしても思えなかったのでこの際はっきりと聞いておこうと思っ ただけです。
知っておきたかったのです。

あずまさん、他産地に放流はしませんよ、いっさい。

僕はちょっと前から、いつも行っている採集地以 外で採集するのはやめようと思っていました。なぜか。
放流したいからです。いろんなところで採ると、産地別で飼うわけではないのでどこ産だか見分けがつかな くなってしまいます。そうしたら、よかれと思っている放流がうしろめたい気持ちになってしまいます。

そんな気持ちになるなら放流なんてしなければいいじ ゃないかと思われると思います。実際あずまさんは何度も、飼育繁殖だけじゃどうしてだめなんですか?と言ってくれてましたよね。

でもやっぱり僕は、どん なに増えても結局袋小路でいつかは死に絶えることが分かっている飼育繁殖より、少しでも子孫が残るかもしれない飼育繁殖放流に魅力を感じるのです。
いや、そ んな大した理由ではなくもしかしたら「さあ、これからはおまえは行きたいところへ行けるんだぞ、よかったなー」と泳ぎ去るゲンゴロウをニコニコ見送りたいだけか もしれません。

とにかく放流があるからこそ、特に思い入れのあるクロゲン、オオゲンなんかは「よしっ、繁殖がんばるぞー」と思ってしまうのです。

なら、保護団体に参加すればいいじゃない、とあずまさんやしまさんは言ってくれます。でも何度考えてもそっちには魅力を感じないのです。間違って左利き 用のギターを手にしてしまったような違和感を想像してしまいます。
放流の正当性を証明することも同じです。

たぶんしまさんのおっしゃるように僕はゲ ンゴロウをペットとして見ているからだと思います。趣味の範疇からぜんぜん出ていないのだと思います。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:プニ 投稿日:2002/11/16(Sat) 04:17
>例えば同地域に2つの池(A池とB池)があったとして、両方の池に住むゲンゴロウがAとBで交流が途絶えていると、それぞれの池で独自に適応して きた訳だから、性質が異なる可能性があるわけです。
ですから、近くであっても生息域が異なっていれば、性質も異なる可能性があると考えておくのが無難です。
近い地域でも環境が著しく違う場合、その様な事も想像に難くないのですけど、逆に近くなら通常交流があるって考えるのが普通ではないでしょうか?
そして 当然交配も行われている・・・その地域の先住個体より交配個体の方が環境に適していれば淘汰が行われてそちらが定着する。これが進化ですよね?
こういうのっ て実は頻繁に起こってることではないのでしょうか?近隣なのに交流がない!って考えるより普通だとおもうのですけど。

>鮭の放流だって、~~放流が正当 であることを証明したデータはほとんど無い気がします。
放流が正当ってなんでしょう?鮭が遡上していなかった川に鮭を復活させて、漁獲を上げたからですか ね?でも、これって違いませんか?鮎にしたって、殆どの川にいる鮎も養殖鮎の放流です、釣り人や鵜匠を見に来た観光客は喜ぶでしょうね、これも成果を上げている から世間は納得するでしょう。
蛍にしても、数十年前は確かに蛍が乱舞していた川だったのかも知れません、その後絶滅していた蛍を放流し餌になる巻貝類を放流 し、川を掃除する・・・環境は綺麗になったし蛍も復活!地域自治体はこれを良かれとやっていますよね?
しかし、全て人為的な自然の捏造ですよね?一種の環境 破壊・・・その地域で絶滅したものを復活させるのは環境保護ではなく、環境創造ですよね?
ビオトープにしても結局はその範疇から出れないですよね?
UE さんの言われている通り、すでに遺伝子無法地帯になっているような気がするのですけどね・・・
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:UE 投稿日:2002/11/17(Sun) 16:06
>趣味の範疇からぜんぜん出ていないのだと思います。

趣味でいいじゃないですか。
私もこのスレを通してすっかり肩の力が抜けました。
そこそこブリードできるようになったものだから、希少種の保護になにか貢献できると勘違いして一人で力んでました。
何の役にもたたないことが解り、すっ きりしました。
もともとどこかに発表するのは好きじゃなかったし、役立たずの情報なら持ち腐れにしても罪悪感はないし、気楽になりました。
今後は趣味の 範疇から逸脱せずにマイペースでゲンゴロウライフを楽しみます。
ただ、ブリード個体の放流は反対です。
多少遺伝子が違っても数の波に呑まれていずれ平均 化されると思ってますが、私の反対理由は変な病気の汚染です。
市販餌で室内飼育では何かヤバイ病気を持ってるかもしれません。放流個体が発病してなくてもキ ャリアだったらえらいことになります。めったにないことでしょうが、万が一おかしなウィルスとかが蔓延してそれが自分の放流のせいだったら...いやです。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:そーるわん 投稿日:2002/11/17(Sun) 17:07
>趣味でいいじゃないですか。

そうですね、うん。

>多少遺伝子が違っても数の波に呑まれていずれ平均化されると
思ってますが、私の反対理由は変な病気の汚染です。

病気ですか。そっちの線もありますか。

でもとにかく、僕も自然保護や放流問題について だいぶ勉強にな
った気がします。あれから、なぜ僕はそんなに放流したいんだろ
うと何度も自問してみました。放流なしで、いいじゃないか、と。

まだ自分の中でスパッという考えはでてませんが、もし個人レベ
ルの採集が生態系に影響を与えないなら、個人レベルの放流も影
響を与えないだろう、だった らわざわざ逃がしに行かないで、
病気とか遺伝子汚染の問題もあるし最後まで大事に水槽で飼う
っていうのでいいじゃないか、と考えたりします。

た だ、ゲンコロウを一匹単位で見てしまうとつい感情移入(なん
て言うんだろう?)して、逃がしてやりたくなります。クロゲン
は明らかに僕の飼育許容量をオー バーしています。

採集については必要数以上持ち帰りしないというのはあったんですが、
繁殖はただ頑張ろうくらいで、節度は考えていませんでした。
産めや増やせやでした。

しかし読み返すとこのスレ、すごいですね(笑)。何年か経ってこれを
読んだら、僕はいったいどう思うのでしょう。

[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:プニ 投稿日:2002/11/18(Mon) 00:45
17日午後11時からテレビ朝日で放送された「素敵な宇宙船地球号」を見ましたか?
ハッチョウトンボの保護(?)の様子だったのですが、他の場 所にビオトープを作り人為的に移植していました。
以前なら、こんな事が出来るなら良いだろうな、地元である福岡県にゲンゴロウのビオトープが出来たら良いな、 と素直に思っていたでしょうが、このスレを読んでから何が善しで悪しなのか微妙になってきました。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:しま 投稿日:2002/11/18(Mon) 14:05
●UEさん
>この2つの池を人為的に緑の回廊で結ぶと遺伝子攪乱にはならないのですか?

>緑のネットワークが完成する と遺伝子無法地帯になるのでは?

交流が途絶えていた原因となっているものを取り除き(例えば山を切り崩すとか)、緑の回廊を結ぶと遺伝子攪乱となり得ま すね。極論ですが、離島と本土を結ぶ緑の回廊なんてものが出来たとしたら、大変なことになります。
緑の回廊もビオトープの理念を外れて計画してはまずいこと になります。


●プニさん
>近い地域でも環境が著しく違う場合、その様な事も想像に難くないのですけど、逆に近くなら通常交流があるって考えるの が普通ではないでしょうか?
そして当然交配も行われている・・・その地域の先住個体より交配個体の方が環境に適していれば淘汰が行われてそちらが定着する。 これが進化ですよね?
こういうのって実は頻繁に起こってることではないのでしょうか?近隣なのに交流がない!って考えるより普通だとおもうのですけど。

仰るとおり、上記の事例は頻繁に起こっています。双方で交流しているならば、これは当然ながら同一個体群です。
マーキング調査等が行われ、2つの池の間 で確実に移動していることが確認されていれば問題ありませんが、調査が行われていない場合には、結局人間が勝手に判断するしかないですよね。虫の移動距離も正確に は分かっていないですし。
ですから、近隣といえども、もしかしたら交流が途絶えている可能性があるから慎重に取り扱うのか、それとも近隣だから多分交流して いるだろうと推測して一緒にするかどうかの違いです。遺伝子レベルで見るならば、根拠のない推測は危険です。


>しかし、全て人為的な自然の捏造です よね?一種の環境破壊・・・その地域で絶滅したものを復活させるのは環境保護ではなく、環境創造ですよね?
>ビオトープにしても結局はその範疇から出れない ですよね?

自然の捏造は、ビオトープの理念から大きく外れます。最近では、水のない丘陵地に池を造るなどビオトープのイメージが一人歩きして、間違った ビオトープが見受けられるようになっています。それにつれ、ビオトープに対する批判も色々と聞くようにもなりましたが、間違ったビオトープの考え方が浸透してい ることも大きいと思います。
私もWATARBUG SCIENCEの中で、少しばかりビオトープについても触れましたが、ホタルのためだけに整備された川はビオトープとは言 えません。ホタルも棲める環境全体を保全するような方策をうち、在来の他の生物も利用してビオトープと呼べると思っています。


●そーるわんさん
>まだ自分の中でスパッという考えはでてませんが、もし個人レベ
>ルの採集が生態系に影響を与えないなら、個人レベルの放流も影
>響を与えないだろう、 だったらわざわざ逃がしに行かないで、

採集と放流では生態系へ与えるインパクトが違います。
個人が節度を守って採集するなら影響は与えないですが、 個人が他産地の個体を放流することは、ごく少数でも大変な遺伝子汚染にもなり得ます。
放流して交尾して、累代を経るうちに交雑していったとしても、外見から では交雑したことに気づかないので、気づいた時には手遅れになります。

度々の例えですが、コゲンモ100匹泳いでいる水槽があったとして、ここから節度を 守って採集しても、その後には影響を与えません。ところが、ここにアズマを1匹入れたとします。交雑して子供が生まれ、さらにまた子供が生まれていきます。累代を 経ていくとやがて、純粋なコゲンモはいなくなります。採集と放流の影響を同義に考えてはいけません。

生き物に親しんでいる多くの人が、そーるわんさんと 同じような考えを持っていると思います。放流に反対している人はごくわずかでしょう。
放流する人も悪気がないだけに根の深い問題とは思いますが、このBBSを見 ている人が少しでも放流を思いとどまってくれたら、そーるわんさんの貢献度は大変大きいですね。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:けいた 投稿日:2002/11/19(Tue) 15:17 <HOME>
そーるわんさん。リクエストのアンケートを追 加しました。
「ブリード個体(同産地物)を放流しようとしているひとがいたらなんて言う?」
皆さんアンケートにご協力お願います。

ここの記事をじ っくり読ませていただきましたが、理屈では危険をはらんでいることなのかもしれませんが、どうしても心の奥では、そーるさん寄り(気持ちは同じ)です。また、生 息地の縮小や分断、個体群の減少が急速に進んでると思われる中、場合によっては人為的に遺伝子交流(人為的にすると遺伝子汚染?)を補助してやる必要性すら感じ ます。ただ、さすがにむやみやたらな放流を広く推奨することには反対です。ヒナモロコなどの希少種でもカワバタモロコの池に放したら大変なことになってしまうか もしれません。
今は繁殖個体をお分けすることによって、「放流したい気持ち」を紛らわしているところですが、最近、近場のナミゲンポイントが壊滅状態になり ました。(よくあることでしょうが)そこは生息地の植生などはほとんどそのままなのに、他のガムシや小型種ごと一帯(小さな盆地一帯)から見られませんでした。 原因は背景の松林への農薬空中散布と考えられ、これさえやらなくなれば復活の可能性はあると思ってます。でも仮に状況が回復して小型種は戻ってきてもナミゲンが 戻ってこない時は、昔そこで採集した個体の子孫を放すことができたら本望と思ってます。再びゲンゴロウ釣りができるようになることを願って・・。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:しま 投稿日:2002/11/19(Tue) 21:16
生き物を飼って、個の愛護の気持ちが高まると、自然に放してやると喜ぶかなと思う人の方が多いことでしょう。自分も昔は逃がしたこと もあったし。
ただ、今となって思えば、安易だったなと思うし、全体が見えていなかったなあと感じます。

生息地の孤立化による生き物たちへの影響は甚 大です。孤立化すれば遺伝的多様性の減少は止められないですし、個体群の維持も困難になります。
移動回廊を設けたり、近縁に生息している個体と交流させてい くような方法が必要になってくるでしょうね。
かつて、同一個体群だったのが局所的に隔離されてしまったなら、人為的に交流させることでメタ個体群として管理 が可能になりそうです。
これらも遺伝子汚染にならないよう、学識経験者など専門家の意見を取り入れながら行っていけば問題ないかと思います。

要は、 かわいそうだから逃がしてあげよう的な、安易な放流をしないことに尽きると思っています。
[1984へのレス] Re: 疑問! 投稿者:そーるわん 投稿日:2002/11/19(Tue) 23:26
プニさん

僕も途中からですが、その番組見ましたよ。難しいですよね。
僕もついほほえましく見ていま した。
特にテレビだと作り手側のメッセージが込められちゃってますます見分けがつきづらいのかもしれませんね。
僕も好きでよく見るんですが、しかしあの 番組名はちょっと…。

とにかく、だからこそしまさんのいう学識経験者など専門家の意見が待たれるのかもしれませんが。
でもその専門家のあいだでも意 見はまとまってないようだし、一般のひとにはもう、どんなことなんでしょう。

ああ、だって、よかれと思っていたことが実はいけないことだなんて、ピュア な心には痛すぎます。そりゃ二年ぶりにヒゲも剃ってしまいますよ。

しまさん

>このBBSを見ている人が少しでも放流を思いとどまってくれたら、そ ーるわんさんの貢献度は大変大きいですね。

ありがとうございます。しかしその本人がまだどっちつかずなんですけどね^^;。
でもしまさんやあずまさん が登場してくれてなかったらもっとシンプルに終わっていたと思います。大変に考えるいい機会になりました。だって見てくださいよ、このスレの長さ。表彰ものです。 ミツさんに、サーバーに負担がかかると怒られてしまいそうです(笑)。

けいたさん

アンケート掲載と、気持ちの賛同(のようなところ)、ありがとうご さいます。みなさんもぜひ、アンケートに参加してください。これは現実に今、おこなわれていることです。善意にせよ悪意にせよ。みなさんのひとことひとことの集積 が、まさに放流しようとしているひとをより熟孝させる機会になりえるんじゃないかと思います。

アンケートはここ


>最近、近場のナミゲンポイントが壊滅状態になりました。
残念ですね。これは共通する思いだと思います。そうですよね?



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