of Cybister brevis
インデックスに書いたように、とても思いいれの深いゲンゴロウです。ガムシのようにまっ黒ですが、
泳ぎはゲンゴロウそのものです。これとよく似たトビイロゲンゴロウというのは、前胸背(体の真
ん中の甲羅)の側面が明るく色づいていますが、クロゲンもよく見ると後基節突起(後ろ足の付け根
付近のお腹のでっぱり)が明るく色づいています。泳ぎは優雅です。
いっいなにがここまで惹きつけるのでしょう。ときどきやはりクロゲン好きなひとを見かけますが、
色も地味だし大型種の中では最も数も多いし、飽きてもよさそうなものですが。
不思議です。 クロの魅力。
不思議です。 クロの魅力。
Cybister属はみんなこうして水草の中に卵を産み付けます。大事に大事に一個ずつ。
外敵から身を守るためだとも、成長するための酸素(養分?)をとりこむためだとも言われています。実際はどうなのでしょう。写真の産卵床となっている植物はラジカンスです。
22年前はオオゲンよりクロゲンの方が孵化が一月弱も早く、6月の頭には幼虫がとれました。
21年前もほぼ同時期で6月初頭に幼虫が出ました。
そして20年前も6月初旬に羽化スタート。上出来でした。数も増えたので何人かの方に貰っていただい
たり、クロも専用水槽にお住まいになったり。
去年は早くて、第一号は5月10日孵化でした。桜の開花も戦後記録を更新するような暖かい年だからでしょうか。
今年は、さあこれからシーズン到来だというときに数少ないオスが落ちたりしてヤキモキしましたが、どうにか孵化が始まりました。6/19スタート。
去年は早くて、第一号は5月10日孵化でした。桜の開花も戦後記録を更新するような暖かい年だからでしょうか。
今年は、さあこれからシーズン到来だというときに数少ないオスが落ちたりしてヤキモキしましたが、どうにか孵化が始まりました。6/19スタート。
産まれたばかりの幼虫はみんなすけすけです。体長16~18ミリ。これが潜るころには五センチオーバーになります。だいたい成虫の大きさの倍か、倍ちょっとですね。
一度摂食した1齢幼虫。色もずいぶんしっかりしてきました。
初齢の顔のアップです。とっくりセーター。
とっくりセーター、お食事中。ヨコエビをもぐついています。上とは別の個体です。
色や斑の濃淡や大小はありますが、主要な柄はだいたい同じに見えますね。ふむふむ、なるほど。
色や斑の濃淡や大小はありますが、主要な柄はだいたい同じに見えますね。ふむふむ、なるほど。
管理が大変ですが、太陽の光やライト、もしくはよく動き回らせた方がなんだか健康的で、見た目も自然のものに近くなります。
これは2齢後期の幼虫です。顔がまっ黒ですが、個別カップ飼育でブロイラーのように育てるとこうはなりません。どっちがいいかは飼育者の好みですね。
ちなみにこれは野生下でのクロゲン2齢中期です。こんなに顔が黒くなったりするようです。
何匹も捕まえて観察してみると、多少の色の濃淡はあれど、どうやら中1齢中期から後期にかけてと、2齢中期から後期にかけて、こんなになるようですね。
こちらは個別カップ飼育の3齢後期です。顔の色はみんなこのぐらいです。ワイルドと比較しても別に羽化後の体長差はなく、エサや上陸時の管理も楽なのでこれはこれでよいと思います。
ミルワームを捕食するクロゲンゴロウ3齢後期の幼虫。魚やおたまの類はほとんど見向きもしません。記憶を辿っても、魚を食べているところを思い出せないです。
かなり虫に偏食する傾向があります。
かなり虫に偏食する傾向があります。
もしも、オオゲンとクロゲンを一緒に飼っている方は少し注意した方がいいかもしれません。
22年前、僕のところではオオゲンよりクロゲンの方が一月近く早く産まれたのですが、ちゃんと容器に印をつけておかないと後から産まれたオオゲンが2齢になるころと、クロゲンが3齢になるころとバッティングしてしまいます。なにしろオオゲンの2齢とクロゲンの3齢は、大きさや見た目がほとんど同じで、慣れるまでは見分けが大変です。もし見分けがつけられないと、脱皮の近づいたオオゲン2齢を陸にあげたり、クロゲン3齢を脱皮まだかな、とほったらかしてしまいます。思い出したくない過去です。
だいぶ慣れた今でも、僕の中では、ゲンゴロウ属の中で一番混同しやすい2種です。
22年前、僕のところではオオゲンよりクロゲンの方が一月近く早く産まれたのですが、ちゃんと容器に印をつけておかないと後から産まれたオオゲンが2齢になるころと、クロゲンが3齢になるころとバッティングしてしまいます。なにしろオオゲンの2齢とクロゲンの3齢は、大きさや見た目がほとんど同じで、慣れるまでは見分けが大変です。もし見分けがつけられないと、脱皮の近づいたオオゲン2齢を陸にあげたり、クロゲン3齢を脱皮まだかな、とほったらかしてしまいます。思い出したくない過去です。
だいぶ慣れた今でも、僕の中では、ゲンゴロウ属の中で一番混同しやすい2種です。
蛹化の時期が近づくと土に潜り、大アゴを使って器用に壁や天井をつくっていきます。悪い土や水を
使ったり、あまり外気にさらすとカビが生えるので注意しましょう。
クロゲンの蛹です。ここまでくればもうちょいです。
と言いたいところですが、僕は初繁殖のとき、ここから先をほとんど残念な結果で迎えなければなりませんでした。
原因はただの推測ですが、アカムシ単体で育てたからじゃないかと思っています。
栄養の偏りが悪かったのか、たまたま用意していたアカムシの状態が悪かったのか、よく分かりませんがいろいろあげていたらな、と悔いが残ります。
色が濃くなる順に、羽化してから1時間半ごとの写真です。上翅(固い羽)の条溝(縦の線)や、後翅(
透明な羽)は時間が経つにつれて見えなくなっていきます。
初めて繁殖させたときの失敗を教訓にして、今度は市販の活アカムシを使わず、ミズムシとサシと少しのメダカをメインに育てたのですが、功を奏したようです。
上陸した15匹のうち、13匹が羽化成功です。蛹期間は思ったより長く、ほとんどがオオゲンをはるかに超える、丸1ヶ月間です。
クロゲンの羽化までのデータはこちら。クロゲンゴロウ・繁殖データ
クロゲンの羽化までのデータはこちら。クロゲンゴロウ・繁殖データ
'05年(19年前)は残念ながら一匹しか幼虫がとれませんでした。
サシとガムシの幼虫をメインに食べさせて、8/18に羽化しました。今年はたくさん増やすつもりだったんですが、うまくいきませんでした。
まあ、思うようにいかないところがまた次の抱負をうむわけで( いいわけ )、来年こそと決意を新たにします。