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コツブゲンゴロウ
コツブゲンゴロウ。日本全国に広く分布しています。体長4mm内外と小さいですが、不安定な小さな溜まりや堀上よりも、池沼などの比較的広く安定した水場の、水生植物が多く、底が泥状になっているような岸辺付近でよく確認できます。
見た目はつるんとして目立つ模様もなく捉えどころのない印象を受けますが、体形は逆卵型で背中がやや盛り上がり、特徴的です。
Noterus japonicus
背中の隆起はこんな感じです。
コツブゲンゴロウ属は日本に3種が報告されていますが、ヒゲブトコツブゲンゴロウは分布がかなり限られています。
アナバネコツブゲンゴロウは更に分布が限られ、僕などには生涯お目にかかることはできないでしょう。
ちょこちょことせわしなく動き、色も地味で目立つ模様もないので、同じような体長のツブゲンゴロウに比べるとずいぶんカメラのピント合わせが大変です。
コツブゲンゴロウのオス
体長が1cmを下回るような小型種は総じて種の同定や性別の見分けが困難になりますが、ヒゲブトコツブゲンゴロウのオスは触覚が特徴的なので本種との区別は容易です。
本種は性別の見分けにもやはり触覚が使えるのですが、これは肉眼だと難しそうです。
これも比較写真がないので伝わりづらいと思いますが、触覚の途中から先端にかけて、節がごつごつしている感じになっているのがオスです。
画像のコツブゲンゴロウはオスだと思われます。
泳ぐコツブゲンゴロウ
うちでは、悠々と泳いでいる姿というのはまず確認できなくて、ほとんど呼吸のために水面に泳いであがってきたり潜っていったりするくらいで、基本的に底面や水草、流木の表面などを這って移動しています。
這うコツブゲンゴロウ
いつもはこうして底面を這って移動します。
底砂に同じような色合い、大きさのものを使っているので、なおのこと写真に撮りづらく、失敗したなあと思っています。
サカマキガイを捕食するコツブゲンゴロウ
森正人・北山昭(1993)図説・日本のゲンゴロウ(文一総合出版)では植食性あるいは雑食性のようであるとしているが、 山川雄大(1999)コツブゲンゴロウの食性確認(Sylvicola Vol.17)では少なくとも植食性ではないと結論づけられるとしており、食性や生活史などに関してはあまり解明されていないようです。
生息環境や行動様式からみて、底に体積したデトリタスのようなものを主食としているのでしょうか。
ただ、飼育下だとこうして割った貝などを与えると能動的に摂食するため、食性はあまりうるさくないのかもしれません。
コツブゲンゴロウの背面
上翅は割と薄いようで、よく見ると後翅が透けて見えます。キチン化が弱いようなのであまり指で乱雑に扱ったりすると潰れてしまうかもしれませんね。
コツブゲンゴロウは最近の僕の中では注目の一種です。

幼虫、見たいなあ。

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